おもしろい!虫の絵本8選

絵本

夏は色々な虫が活発に動き始める時期ですね。

虫が好きな子も苦手な子もいると思いますが、絵本だったら好き嫌い関係なく楽しめるんじゃないでしょうか。

今回は【おもしろい!虫の絵本8選】をテーマに、司書資格を持つ保育士、弓子が夏に読み聞かせたい絵本を選びました。

今回は一つの虫にこだわらず、色々な虫が出てくる絵本を選びました。

虫って知れば知るほど面白いです!

読み聞かせの参考にしてみてくださいね。

おもしろい!虫の絵本8選

だんごむしのおうち(おすすめの対象年齢・3歳~)

澤口たまみ
たしろ ちさと
出版社福音館書店
出版年2018年
子どもらしさがいい!

・3歳から
・子どもらしさがいい
・赤ちゃんだんごむしがいい

ポイント①子どもらしさがいい

この絵本にはたくさんの子どもらしさが詰まっています。

だんごむしを手のひらに何匹もいれたり、丸まらないだんごむしに気づいたり。

しゃがんでだんごむしに夢中になっている姿が子どもそのもので微笑ましくなります。

地面につきそうなくらい顔を近づけてだんごむしを見る姿もとても子どもらしいですよ!

ポイント②絵がいい

だんごむしの絵がリアルです。

ひっくり返った時に足をバタバタさせる感じや色の濃さの違い、ばらばらに動いていく感じがとてもよく描かれています。

子どもの手が大きく描かれているので、子どもが、まるで自分がだんごむしを捕まえたかのような気持ちになって見ることができますよ。

分かりやすさがいいですね。

ポイント③赤ちゃんだんごむしがいい

この絵本で特徴的なのはお腹に卵を抱えただんごむしが描かれているところです。

だんごむしのメスはお腹で卵を抱え、その卵から赤ちゃんをかえします。

 わっ、ちいさな しろい むしが

 でてきた!

 わわっ、

 あかちゃんだんごむし!!

赤ちゃんだんごむしが紹介されているところが珍しくて面白いと思いました。

この絵本をきっかけに だんごむしに興味をもったり、だんごむしをもっと好きになってくれたら嬉しいですね。

まだかな(おすすめの対象年齢・3歳~)

作・絵まつおかたつひで
出版社ポプラ社
出版年2005年
変化が楽しい絵本です

・3歳から
・色々な生きものが出てくる
・変化が楽しめる!

ポイント①色々な生きものがでてくる

絵本の舞台は原っぱ近くの水辺です。

だから陸の生きものと川の生きものの両方を見ることができます。

陸では主にてんとう虫、とんぼ、ばった、かわせみ、かげろうなどが登場し、

川では主にめだか、みずすまし、あめんぼ、うしがえる、おいかわ、げんごうろうなどが登場します。

生きものがたくさん登場するので見ているだけでわくわく!

色々な生きものを知ることができますよ。

ポイント②変化が楽しめる!

この絵本の場面は1つだけ。

 めだかさん こんにちは。

 きょうは、ここで まちあわせだよ。

 まだかな。

ぼく(かえるくん)がある生きものと待ち合わせした場所でお話が展開していきます。

ずっと同じ場所なので、変化がとても分かりやすいです。

その場所で、生きものたちが泳いだり、飛んできたり、交尾したり、捕食したり、産卵したりする様子を見たぼく。

雨が降ってきて虫が葉っぱの裏に隠れる様子も見られました。

ページをめくるたびに変化が楽しめて、次はどうなるかな?というわくわく感を味わうことができますよ。

ポイント③自然は面白い!

ぼくはずっと待ちました。

 おいかわさん、おいしそうな かげろうだね。

 ぼくも たべたいなぁ。

 ・・・・・・まだかな。

お腹がすいても、

 きゃあ、こわい。

 おいかわさんが かわせみさんに たべられた。

 ・・・・・・ま、まだかなあ。

こわくなっても、

 あ、あめが あがったよ。

 もうすこし まってみるよ。

 まだかな。

突然の雨が降って雨があがっても、ぼくは待ち続けました。

そして、そんなぼくを見ていると、自然は変化がたくさんあって、退屈なはずの待ち時間もきっと楽しい時間になるんだろうな・・・と思いました。

自然が子どもにとっていかにどきどき、わくわくに満ちた場所であるかを改めて感じられる絵本です。

かえるが出てくる他の絵本はこちら

↑これらの絵本を紹介している記事はこちら

くもさんおへんじどうしたの?(おすすめの対象年齢・3歳~)

エリック=カール
もり ひさし
出版社偕成社
出版年1985年
触って楽しめる絵本です!

・3歳から
・リズミカルな言葉がいい
・触って楽しめる!

ポイント①リズミカルな言葉がいい

絵本はこんな風に始まります。

 あるあさ はやく、一ぴきの くもが、

 かぜにのって やってきました。

 (中略)

 くもは、おしりから きぬのような

 いとを だして、

 すを つくりはじめました。

というわけでくもの巣作りがはじまりました。

途中、色々な動物たちがくもに話しかけます。

でもくもは決まってこういう態度でした。

 くもは へんじを しません。

 すを つくるのが いそがしかったのです。

リズミカルな言葉の繰り返しが3歳児にも分かりやすく、聞いて楽しい絵本です。

ポイント②触って楽しめる!

この絵本の一番の推しポイントは、くも糸とくも、そしてハエがぷっくりと膨らんでいて触って楽しめるところです!!

触ってくもがどうやってくもの巣をはっていくのか(縦糸から貼って、その後横糸をめぐらせます)が分かることも楽しいのですが、なんと言っても感触がいいのでずっと触っていたくなります。

お子さんにもきっと喜ばれると思うので、ぜひ触って楽しんでほしいです!

ポイント③色彩がきれい

この絵本は「色彩の魔術師」と呼ばれる「はらぺこあおむし」で有名なエリック=カールの作品です。

ですから赤と緑のカラフルな色合いのくもをはじめ、登場する動物たちもとても色鮮やかです。

私はねこやにわとりが綺麗だと思いました。

ぜひ、美しい色彩にも触れて癒やされてくださいね。

同じ作者の他のおすすめの絵本はこちら

↑こちらの絵本を紹介している記事はこちら

ありとすいか(おすすめの対象年齢・4歳~)

たむらしげる
出版社ポプラ社
出版年2002年
夏にぴったりの絵本です!

・4歳から
・ありたちがにぎやか。
・最後に笑顔になれる!

ポイント①ありから見たすいかがいい

 きもちのいい なつの ごご

 ありが すいかを みつけて

 やってきました

そうして現れたのは見開き2ページを使ってどーんと置かれた大きなすいかです!

ページがほぼすいかで埋まっていて、小さなありから見たすいかの大きさと、そんなすいかを見つけたありの驚きと喜びがとてもよく感じられます。

真っ赤なすいかに夏も感じられますよ。

ポイント②ありたちがにぎやかでいい!

すいかを見つけた4匹のありが早速食べ始めました。

 これは うまいぞ すに はこぼう

というわけで運ぼうとしますが、大きなすいかはびくともしません。

 なかまを よんでこよう

するとありの巣からたくさんのありが応援に駆けつけました。

 それ いけ!

 それ いけ!

ページいっぱいにわらわらと走り出すありたち!

そこから悪戦苦闘して、なんとかすいかを巣に運ぶことができました。

小さなありたちが色々やっている様子はとてもにぎやかで、見ているとなんだか元気をもらえる気がします。

ポイント③最後に笑顔になれる!

おすすめなのは一番最後のページです。

頑張ったありたちへのご褒美!

お楽しみが待っています!!

読むと思わず笑顔になってしまうこと間違いなしのこの場面!!!

ぜひ最後まで楽しんでくださいね。

きょうは泣き虫(おすすめの対象年齢・4歳~)

たけがみたえ
出版社好学社
出版年2019年
美しい虫の絵本です

・4歳から
・心情に共感できる
・美しい虫の絵本

ポイント①幻想的な雰囲気がいい

ある満月の夜、大きなクワガタムシが月に照らされました。

 またせたな おつきさん

 さあさあ みてくれ

 おれさまを!

 かっこいいだろ?

 つきの ひかりで もっと

 ぴかぴか みがいておくれ!

すると、そんなクワガタに憧れて他の虫たちもやってきました。

 キリキリキリキリ

 なんでも カミキル

 わたしの は

 つきの はしっこ

 カミキルよ!

とカミキリムシ。

 ぶんぶんぶんぶん

 かなぶんぶん

 てらして てらして

 ビロードの せなか

 にじいろに!

と、カナブン。

 ぱたぱた ぱたぱた

 てらして ください

 チョウに まけない もようなの

 そのうち つきまで とんでいく!

と、蛾。

 月明かりに照らされる様子が幻想的な、冒頭の一場面です。

ポイント②心情に共感できる

するとあとからクワガタムシがやってきて、

 おい! おまえたち!

 このつきは おれさまのもの

 しっしっしっ!

 ギザギザハサミで

 はさんでしまうぞ‼

と脅したので、

 なんて いじわる!

 なんて けちんぼ!

 むしたち なきだし にげてった

 それから うわさは ひろまって

 クサガタが つきの ひかりを あびてても

 だれも みむきも しなくなった

こんないばりんぼのクワガタムシでしたが、色々あってすっかり弱虫になってしまいました。

そんなクワガタが恥ずかしいながらもみんなに受け入れられる場面。

ほっとして、悔しくて、嬉しくて、恥ずかしくて。

そんなクワガタムシの気持ちに共感する子も多いのではないかと思います。

ポイント③美しい虫の絵本

この絵本の絵は木版画で制作されています。

色彩がとても美しく、月夜で明るんだ森やと明るい昼間との違いが鮮やかに表現されています。

虫たちの表情豊でとてもいいです!

他の虫の絵本とひと味違う、鮮やかで幻想的な絵を楽しんでくださいね。

友だちとの関わりがテーマになっている記事

ぼく、あぶらぜみ(おすすめの対象年齢・4歳~)

得田之久
たかはしきよし
出版社福音館書店
出版年2008年
土の中のセミのことが分かる!

・4歳から
・セミのことが分かる
・土の中のセミのこともよく分かる

ポイント①セミのことが分かる

この絵本を読むとセミのことがよく分かります。

例えば、

  • セミの産卵について
  • セミの幼虫の成長について
  • セミの羽化について
  • セミの結婚について

などです。

夏に存在感を増すセミ。

そんなセミに興味を持ったらぜひこの絵本を読みきかせてみてくださいね。

ポイント②土の中のセミのこともよく分かる

この絵本の最大のポイントは、”土の中にいるセミの幼虫のことを詳しくかいている”ところです。

 こんにちは!

 ぼく、せみのこ。

 あぶらぜみの こどもだよ。

 うまれたての ぼくは、

 きのえだから ポトリと

 じめんに おちる。

これは枯れ枝の中の卵からうまれたセミの幼虫が、枝から落ちて、地面に落ちた場面です。

 じめんに おちた ぼくは、ありや くもに

 みつからないうちに いそいで

 つちのなかへ もぐりこむ。

こうしてセミの幼虫は土の中へ潜りました。

そこから1年後、2年後、3年後、4年後、そして5年目の夏まで、セミの幼虫が土の中で大きく成長する様子をしっかりとかいてくれてあります。

 ぼくが どのくらい つちのなかに

 いたか わかる?

 きみたちが うまれてから

 5さいになるまでと、おなじくらいの

 ながさなんだ。

とても長い間幼虫のまま土の中にいたのかがわかる言葉ですね。

言葉に重みを感じます。

ポイント③羽化するところがいい

そしていよいよ幼虫が地面の上にはい上がって羽化を迎えます。

 すると、からだのなかが ぐるぐる

 うごきだすような、

 ふしぎな かんじがしてきた。

 めが まわってきた。

 なんだか わからないけど、ぼくの

 からだのなかで すごいことが

 おきているみたい。

セミの子ども目線で自分の体の変化を伝える言葉が親しみやすいですね。

この1冊でセミの一生をほぼ網羅できるのではないかと思うくらい、情報が沢山詰まっています。

みなさんにおすすめできる1冊です。

同じシリーズの他のおすすめの絵本はこちら

いもむしれっしゃ(おすすめの対象年齢・4歳~)

作・絵にしはらみのり
出版社PHP研究所
出版年2007年
じっくり見たい1冊です

・4歳から
・絵が細かいところまで楽しい
・想像が広がる

ポイント①絵がいい!

絵や色合いがキャッチーで沢山の人に好まれる絵だと思います。

大きく描かれているものと細かく描かれているものとでメリハリがあって、一冊を通して見応えがありますよ!

いろんな虫や生きものが生き生きと生活しているところが魅力的です。

例えばてんとう虫が「mushisk」で駅弁を買っていたり、ブロック団地で虫たちがお布団を干していたり(笑)

隅々まで楽しめますよ!

ポイント②想像が広がる

細かい所まで描かれているので

「この虫は何をしているのかな」

「何の虫かな」

「さっきいた虫がここにいる!」

「この植物何かな?」

と、色々な想像が広がります。

絵から物語を想像しやすく、色々なことを感じ取れるところがおすすめです!

ポイント③起承転結があっていい

 ぷるるるる・・・・・・

 「いもむしれっしゃは まもなく はっしゃします」

  みなさま いそいで ごじょうしゃください」

さぁ、いもむしれっしゃの発車です!

駅に止まりながら終着駅まで進んで行くいもむしれっしゃ。

そのまま穏やかに終わっていくかと思いきや、

 とつぜん おおきな くもが

 あらわれました。

 「しめしめ、まちぶせ だいせいこう!

  おきゃくと いもむし いちどに 

  くえるぞ。いただきまぁーす」

 「きゃー。たすけてぇ!」

突然大きなくもがおそってきます!

いもむしれっしゃはどうなったのか!?

ドキドキする展開もあって最後まで楽しく見ることができますよ。

かまきりとしましまあおむし(おすすめの対象年齢・5歳~)

澤口たまみ
降矢なな
出版社農山漁村文化協会
出版年2014年
絵が美しいです!

・5歳から
・絵が美しい
・かまきりがいい

ポイント①絵が美しい

はっきりとした色合いながらも繊細さもあって、とても美しい絵本です。

かまきりをはじめとする虫やあおむしも、美しかったり表情が豊かだったりしてとっても素敵です。

どの場面も切り取ってポストカードにしたいくらいなので、注目して読んでみてくださいね。

ポイント②かまきりがいい

 にんじんの はなが さいています。

 そこへ おにやんまが、

 すいっと とんできました。

 にんじんの はなの うえには 

 おおきな かまきりが いて、

 おにやんまを にらんでいます。

 (中略)

 「なにか ごよう?」

 かまきりが きくと、

 「いいや、パトロールを しているだけだよ」

 おにやんまは ふわりと からだの むきを

 かえて、もどってゆきました。

かまきりのえさは他の虫です。

えさを食べようと人参の花の上で狙っていましたが、おにやんまは手強い相手なので見のがした場面です。

虫たちの間で幅を利かせているかまきりが、あおむしとの出会いでちょっとゆるんじゃうところが、人間味があふれていて親しみがもてるところです。

ツンデレかまきりをぜひ楽しんでくださいね(笑)

ポイント③あおむしとの掛け合いがいい

そんなある日、かまきりのいる人参のくきを登ってくる虫がいました。

 それは、じゅっぴきの

 しましまもようの あおむし でした。

 「やっと みつけた」

 「にんじんんだ、にんじんだ」

 「もう おなか ぺこぺこだ」

 「はやく たべよう」

 「たべよう、たべよう」

 あおむしたちは いっせいに

 にんじんの はに かじりつきました。

これがかまきりとあおむしたちとの出会いです。

勝手に人参を食べてしまったあおむしたちに、かまきりがするどい鎌を見せると

 あおむしたちは こわがるどころか、

 てを たたいて よろこびました。

 「わぁ、かっこいい かま!」

 「ぎざぎざだ!」

そんな無邪気なあおむしたちに戸惑うかまきり。

でも悪い気はしませんでした。

会えないとなんだか気になって心配してしまったり、再会できたときには嬉しくなってしまったり。

気持ちの揺れ動きとあおむしの成長が見所です!

まとめ

今回は【おもしろい!虫の絵本をテーマに8冊紹介しました。

気になる絵本はありましたか?

どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。

紹介された絵本をもう一度チェックしたい方はこちら

①だんごむしのおうち

②まだかな

③くもさんおへんじどうしたの

④ありとすいか

⑤きょうは泣き虫

⑥ぼく、あぶらぜみ

⑦いもむしれっしゃ

⑧かまきりとしましまあおむし

当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。

どれもおすすめの絵本ですのでぜひ読んでみてください。

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