4歳児のお子さんに読み聞かせをしようとしている時、
いざ絵本を選ぼうと思うとたくさんあって悩んでしまいますよね。
ロングセラー絵本から選べばいいといいますがそれもかなりの量です。
折角お金をかけて絵本を購入したり図書館で選ぼうとしたりしているなら、できるだけ子どもが喜んでくれる絵本を選びたい、そう思うと思います。
今回は、司書資格を持つ保育士歴15年目の保育士、弓子が、
【保育士おすすめ!4歳児が本当に喜ぶ絵本3選】について記事を書きました。
選んだポイントは
- 実際に読んだときによく聞いてくれた絵本
- なるべくたくさんの子に喜ばれそうな絵本
です。
4歳児に人気で、4歳児が本当に喜ぶ絵本が知りたい方は参考にしてみてくださいね。
保育士おすすめ!4歳児が本当に喜ぶ絵本3選
三びきのやぎのがらがらどん
北欧民話 | |
絵 | マーシャ・ブラウン |
訳 | せた ていじ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1965年 |
子ども達が喜ぶ絵本です!
ポイント①絵は怖いけど・・・子どもの反応がいい!
ご覧になって分かるかと思いますが、荒々しいタッチのイラストで可愛らしさはありません。
「がらがらどん」と言われるやぎたちの表情や、通せんぼする大きな体の「トロル」は正直怖いくらいです。
でも子どもたちが「読んで!」と持ってきてくれる人気の絵本です。
時には大人が「これがいいの?」という絵本が子どものお気に入りだったりするので、絵本は奥が深いですね。
ポイント②繰り返しで展開されていくストーリーがいい
この絵本のストーリーはこうです。
大中小の三匹のやぎのがらがらどん(3匹全て”がらがらどん”と言います)が橋を渡って、向こう山の草を食べに行こうとします。
橋の下には怖いトロルが住んでいて、やぎたちを食べようと狙っています。
がらがらどん達は橋を渡れたのか――?
そんなドキドキハラハラが味わえるお話です。
この絵本は同じ言葉が繰り返し使われています。
大まかな流れはいっしょだけれど、ちょっとずつ変わりながら展開しているんですね。
これが、子どもが安心して絵本を楽しめるおすすめポイントです!
大きいやぎのがらがらどんがトロルを倒すシーンは残酷に感じるかもしれません。
そして トロルに とびかかると、つので めだまを くしざしに、ひずめで にくも ほねも こっぱみじんにして、トロルを たにがわへ つきおとしました。
なかなかの表現ですよね(笑)
でも子どもは怖がることもなく聞いてくれます。
こういう少し残酷に感じるところの読み方は、必要ないほど残酷な描写をしているのでなければ、さらっと読み聞かせてあげればいいと思います。
経験上、子どもは思っているよりもさらっと受け止めてくれますよ。
ポイント③言葉選びが面白い!
この絵本の言葉はちょっと変わっていて印象に残る言葉がいくつかあります。
はしの したには、きみのわるい おおきな トロルが すんでいました。
ぐりぐりめだまは さらのよう、つきでた はなは ひかきぼうのようでした。
ひかきぼう!
「いったいぜんたい なにものだ、おれのはしを がたぴしさせる やつは」と、トロルがどなりました。
がたぴし・・・?
「さあこい! こっちにゃ 二ほんの やりが ある。 これでめだまは でんがくざし。おまけに、おおきな いしも 二つ ある。にくも ほねも こなごなに ふみくだくぞ!」
でんがくざし!!
これらの言葉は大人にとっても不思議で忘れられない言葉になってます(笑)
最後にもう一つ。
チョキン、パチン、ストン。
はなしは おしまい。
これはお話の終わりを告げる言葉です。
日本の昔話にも「とっぴんぱらりこぷう」という終わりの言葉があります。
子どもたちを現実の世界へとひきもどしてくれるこの言葉。
ちょっと変わっていて、子どもたちの好きポイントです。
どろんこハリー
文 | ジーン・ジオン |
絵 | マーガレット・ブロイ・グレアム |
訳 | わたなべ しげお |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1964年 |
ハリーになって楽しめる!
ポイント①絵がかわいい!
まずオススメしたいのは可愛らしいイラストです。
表紙に描かれている犬のハリーはもちろん、登場人物たちも3頭身~5頭身で描かれていてとても可愛いです。
黄緑色、オレンジ色、黒の3色を基調にした配色もおしゃれ。
1964年に出版された絵本であるのにもかかわらず全く古さを感じません。
ポイント②ハリーを通して色々な経験ができる
ハリーはとってもやんちゃで元気な犬です。
お風呂が嫌だからブラシをくわえて逃げ出し、裏庭にうめて外へぬけだします。
工事をしているところで遊んで泥だらけになったり、線路の橋の上で遊んですすだらけになったり、工事現場で仲間の犬たちと鬼ごっこをしたり。
しまいにはトラックの荷台にのって、トラックが積み荷をおろすときにすべり台のように、積み荷と一緒にすべってきたりするんです。
工事現場はもちろん立ち入り禁止ですよね。
でも子どもにとっては、働く車やじゃり、砂、粘土のようなセメントなど、あこがれのものがたくさんあるところです。
真っ黒に汚れながら色々気にせず思い切り遊ぶハリーの姿は、いろいろなことに興味を持ち、面白いことをしたい!遊びたい!という子ども本来の欲求にぴったり重なるのだと思います。
現実にはできないことも絵本の中でなら、ハリーになって体験することができる!
それがこの絵本の魅力だと思います。
ポイント③前半も後半も面白い!
前半は、どろんこになって思い切り遊ぶハリーに共感してお話を楽しめます。
そして後半は、どろんこになってしまったゆえに、家族にハリーだと気づいてもらいないハリーの災難に、一緒になってハラハラします。
でも最終的には自分から嫌いなお風呂へ行き、洗ってもらってきれいになって、ハリーだと気づいてもらえました。
そして晩ご飯がすんだ後、お気に入りの場所(ふとん)でぐっすりと眠り、どろんこになってとっても楽しかった夢をみるんです。
じぶんのうちって なんて いいんでしょう。
ほんとに すてきな きもちです。
と思いながら・・・。
家族から離れて出かけ、色々なところで思い切り遊びました。
家に入れてもらえないという事件に出会ったけれども、最後には一番ほっとできる場所に帰ることができました。
これは子どもにとって、安心して絵本を楽しめる展開だと思います。
私は最初のページが好きです!
ハリーがいたずらな顔をしてお風呂からブラシを持っていくシーン。
言葉はなくても、ここから物語ははじまってるんですよ!という。
表情が可愛い!の一言です(笑)
ぜひみていただきたいです。
ちなみに、「どろんこハリー」には「うみべのハリー」「ハリーのセーター」「ハリーのだいかつやく」の3冊の続編があります。
気になった方は是非読んでみてくださいね。
せんたくかあちゃん
作・絵 | さとう わきこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1978年 |
面白い絵本と言えばこちら!
ポイント①文句なしにおもしろい!
あるところに洗濯がとっても大好きなかあちゃんいました。
毎日タライと洗濯板で、片っ端から洗い上げます。
ところがこのかあちゃん、布製品ばかりではなく、靴や時計、傘やおなべ、猫や犬、子どもまで何でも洗ってしまうんです(笑)
そんなある日、かあちゃんがいつもの様に洗濯物を干していると、カミナリさまが落ちてきます。
カミナリさまがおへそを狙ってやってきたときいて怒ったかあちゃん。
有無を言わさない早業でカミナリさまをタライに放り込んで洗ってしまいます。
洗い終わったカミナリさまは、目、鼻、口が洗い流されてのっぺらぼうに!
まさかの!!!??
のっぺらぼうになったカミナリさまはどうなったのか??
奇想天外のストーリーには突っ込みどころがありすぎますが、痛快で、ナンセンスで、豪快で、テンポが良くて、とにかく面白いです。
洗濯というテーマも身近でいいですね。
ポイント②方言が楽しい
へそをねらってきたカミナリさまはこう言います。
「なんてえとこだい。まるで くものすやしきだね。こう なわが おおくちゃ かみなりだって ひっかかるぜ」
「あったりまえの こんこんちき。おへそを とりに きたに きまってるじゃないか」
関東の方言が威勢がよくて魅力的ですね!
突然ですが、方言の話題が出たので、方言について読み聞かせポイントを紹介します。
弓子は方言のある言葉を読むとき、次の2点に気をつけています。
一つ目は、いかにそれっぽく読むか。
私はその方言を日常的に使わないので正しく話せません。
でもこのカミナリさまがどんな風に話したかは想像できます。
だから正しくはないかもしれないけど、なるべく雰囲気を壊さないように想像しながら読んでいます。
方言を正しく読むことが目的ではなく、登場人物の言葉をその場の雰囲気に合わせた調子で読むことで、子どもに絵本の内容を伝えることが目的なので、私はこれでいいのかな、と思っています。
そして二つ目は、間違えないように読む。
つっかえないで読む、ということは、読み聞かせをするときに日常的に気をつけていますが、方言はやはり慣れないので難しいです。
だから、できれば下読みをしたり、園勤めだとそれも難しいことが多いので(時間ないですよね💦)下読みしなくてもできるだけ間違わないように集中して読むように気をつけています。
余談でした。
ポイント③せんたくかあちゃんが最高!!
かあちゃんは江戸っ子です。
豪快な行動にぴったりの、こちらもカミナリさまと同じ関東の方言を話します。
丸い顔とふくよかな身体つき、腕まくりされた袖からは、たくましい太い腕が出ています。
そして、裸足の下はサンダル履きです(笑)
家中のものを全部洗ってしまうと、子どもたちに
「なにか あらうものを さがしといで」
というかあちゃん。
洗われたくなくて逃げるねこやいやとりやねずみたち。
(このとき下駄箱の下駄や靴や傘も一緒に逃げています。ナンセンス!)
かあちゃんは、それを みて おおごえで さけびました、
「とまれ!」
みんなは しんぞうが どっきりして、まほうに かかったように からだじゅうが しびれて うごけなくなってしまいました。
そうして みんなを あらって みんな ほしおわると、かあちゃんは ごきげんで いいました。
「せんたくものを ほしたあとは ラムネ のんだみたいに すっきりするねぇ」
というわけです。
すごいマイペース!!
全然動じない!!(笑)
というように「せんたくかあちゃんは」とっても魅力的なキャラクターなんです。
せんたくかあちゃんのお話には「くもりのちはれ せんたくかあちゃん」という続編がありあます。
「せんたくかあちゃん」が気に入ったら、こちらも是非チェックしてみてくださいね。
まとめ
今回は【保育士おすすめ!4歳児が本当に喜ぶ絵本3選】をテーマに、厳選した3冊をご紹介しました。
どれか1冊でもあなたやお子さんのお気に入りになったら嬉しいです。
そして、絵本を選ぶことと同じくらい「絵本の読み聞かせ方」も大切です。
次の記事では『【4歳児】読み聞かせの5つのコツ』について自分が園児や子どもに読み聞かせてきた経験から、「こうするといいよ」という読み聞かせ方のコツをまとめました。
こちらの記事もぜひあわせて読んでみてください。
子どもの成長には個人差があります。
4歳児向けの絵本がはまらなかったら、3歳児向けの絵本を読んでみたり5歳児向けの絵本を読んでみたりすると、お気に入りの本が見つかりやすいと思います。
こちらもチェックしてみてくださいね。
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