数字や時計をテーマにした絵本の魅力は、子どもが楽しく覚えたり、親しめたりするところですね。
自然と知識がついていくところがおすすめです。
本記事では【楽しい!すうじの絵本・とけいの絵本8選】をテーマに、司書資格を持つ保育士、弓子が、子どもに読み聞かせたい絵本を8冊厳選しました。
数字や時計に親しめる絵本がたくさん!
読み聞かせの参考にしてみてくださいね。
楽しい!すうじの絵本・とけいの絵本8選
123のえほん(おすすめの対象年齢・3歳~)
作 | サイモン・バシャー |
訳 | 灰島かり |
出版社 | 玉川大学出版部 |
出版年 | 2013年 |

3歳からおすすめ
・1~20までの数がわかる
・分かりやすさがいい
・言葉が楽しい
ポイント①1~20までの数が分かる
絵本を開くと左側に数字が、右側に絵と文が載っています。
例えば、
(左側)1 いち
(右側)へびくん、1ぴき。さびしくないの?
「ともだちいるよ。ほら、ぬいぐるみの くまさんさ」
というように。
これが1~20まで続いています。
読んでいくと自然と20までの数を覚えられますよ。
最初のうちは無理せず、読めるところまで読むのもいいですね。
ポイント②分かりやすさがいい
この絵本は分かりやすいところがおすすめです。
分かりやすいポイントは、
①数字がはっきり大きく書かれている。
②背景がシンプルで数字や絵がよく見える。
③見開き2ページにに1つの数字で分かりやすい。
④その数字が1~20までのどの位置なのかが視覚的に分かるようになっている。
というところです。
数を数えていくうちに、読んでいくうちに、自然と数字が頭に入る工夫がされていますよ。
ポイント③言葉が楽しい
この絵本はありきたりな言葉ではないところがいいんです。
例えば、
4ひきの カエルは、かわってる。
あなの あいた ソックスが おきにいり。
とか、
10とうの めうしの フラフープたいかい。
「ゆうしょうするのは、ぜったい わたしよ」
とか。ユニークですね(笑)
絵も可愛い絵本なので、ぜひ読み聞かせてみてくださいね。
すうじのえほん(おすすめの対象年齢・4歳~)
作・絵 | 五味太郎 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版年 | 1985年 |

4歳からおすすめ
・数字で何があらわせるのか分かる
・子どもの気持ちに寄り添っている
・数字に興味をもつきっかけになる
ポイント①数字で何があらわせるのか分かる
この絵本では、数字で何があらわせるのかを教えてくれます。
すうじで じかんが わかります
すうじで ひにちも わかります
というように。
数字って何に使うの?
そんな子どもの疑問に答えているかのようですね。
端的な言葉が気持ちのいい絵本です。
ポイント②子どもの気持ちに寄り添っている
絵本のテーマも子どもの気持ちに寄り添ってくれていると感じるのですが、紹介されている例の数々にもそれを感じます。
というのも、あげられている例が全部子どもの目線の、身近なものばかりだからです。
例えば、
すうじで どうろの きまりが わかります
という場面では子どもが車の中から見える制限速度の数字や、どこまで○○㎞というような標識の数字が描かれています。
他にも靴や洋服のサイズ、座席の数字など、どれも子どもが気になる数字ばかり。
子どもがきっと興味を持って聞いてくれると思います。
ポイント③数字に興味をもつきっかけになる
こうなったらどこに数字があるかを探し出すのが子どもです!
まずはお家の中や園の中をくまなく探しましょう(笑)
身近にある数字を探してそれを地図に書き込んで、「数字マップ」なんてものを作っても楽しそうですね。
きっと数字に興味を持つきっかけになってくれるのではないかと思います。
かずのほん(おすすめの対象年齢・4歳~)
文・絵 | まついのりこ |
監修 | 遠山啓 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1970年 |

4歳からおすすめ
・お話仕立てになっている
・自然な話し方がいい
・数が楽しく自然に覚えられる
ポイント①お話仕立てになっている
この絵本はお話仕立てになっているところが魅力です。
もりに あめが ふってきた
なかまどうしで あまやどり
ともだち どこだ ほーい
雨が降ってきて動物たちがあまやどりしています。
するとその雨が洪水になってしまいました!
「こわいよ たすけて」
「あっ ふうせんだ」
「よかった ひとつずつ あったね」
「うさぎと ふうせん どっちが おおい?」
ちょうど おなじだね
洪水で困っているうさぎたちのところに風船が飛んできました。
それがうさぎと風船でちょうどひとつずつ。
語り手が、どっちが多い?と聞いています。
数えてみるとちょうど同じ数であることが分かりました。
このように、自然な流れで数を数えたり、大小を考えられたりするところがいいです。
ポイント②自然な話し方がいい
自然な話し方もいいんです。
例えば、
さると りす どっちが おおい?
さるだよね だって さるが あまるんだもの
とか、
ありと きのは どっちが おおい?
それとも おなじ?
よく みないと まちがうよ
とか。
普通に話しているような感じが、親しみをもてていいなと思います。
ポイント③数が楽しく自然に覚えられる
色んな場面で数が楽しく自然に覚えられるように工夫されています。
考える場面は4場面ほどあります。
①数を数えて、どちらが多いか少ないか同じかを考える場面。
②数字の家の窓に動物を一匹ずつ入れていく場面。
③ごちそうの数を数えて、どの数字の家に入れるかを考える場面。
④木の数字と同じ数の動物を集める場面。
と、盛りだくさんです!
ぜひ一緒に考えながら読み聞かせてくださいね。
100かいだてのいえ(おすすめの対象年齢・4歳~)
作・絵 | いわいとしお |
出版社 | 偕成社 |
出版年 | 2008年 |

4歳からおすすめ
・新しい絵本の読み方に驚く!
・1~100までの数が分かる
・お話も面白い
ポイント①新しい絵本の読み方に驚く!
この絵本は、新しい絵本の読み方をしています。
横開きの絵本を・・・

縦にして読むんです!

この絵本の読み方は新しくて驚きました!
縦長にして読むことで「100かいだてのいえ」の高さをより感じられるんですね。
素敵な工夫だと思います。
ポイント②1~100までの数が分かる
”100かいだて”とあるように1~100までの数が順に出てきます。
見開き2ページに1~10、次の2ページに11~20、というように、ページをめくるごとに数が10ずつ増えていきます。
絵が細かく可愛く描かれているので子どもはよく見ると思うのですが、目立つところに数字が描かれているので「これが○○階なんだ」と、自然と覚えられるんですね。
1~100までの数が分かる絵本です。
ポイント③お話も面白い
この絵本はお話もとても面白いんです。
あるところに、星を見るのが大好きなトチくんという男の子がいました。
ある日のこと、そんなトチくんのところへこんな手紙が届きました。
ぼくは 100かいだての いえの
てっぺんに すんでいます。
あそびにきてください。
というわけでトチくんはその家に行ってみることにしました。
そして10階ごとに住む動物たちと話をしながら100階を目指していくんです。
100階でトチくんを待っていた人とは?
細かく描かれた可愛くてわくわくする絵と、優しいお話を楽しんでくださいね。
かずあそびウラパン・オコサ(おすすめの対象年齢・5歳~)
作 | 谷川晃一 |
出版社 | 童心社 |
出版年 | 1999年 |

5歳からおすすめ
・わくわくする始まりがいい
・数が増えて楽しい!
・どんなものでもウラパン・オコサできる
ポイント①わくわくする始まりがいい
お話はこんな風に始ります。
1と2だけでかずあそびしよう
1はウラパン 2はオコサ
さるが 1ぴきで ウラパン
バナナが 2ほんで オコサだよ
ウラパン?オコサ??
1と2だけで数あそび??
わくわくする始まり方が魅力です。
ポイント②数が増えて楽しい!
シマウマが3頭いるページになりました。
かずが ふえたら オコサを さきに
かぞえて のこりは ウラパンに してね
というわけで、シマウマを2頭と1頭に分けて考えます。
ほら しまうまが オコサ・ウラパン
面白くなってきましたね!
数がどんどん増えて、考えるのがどんどん楽しくなってきます。
ポイント③どんなものでもウラパン・オコサできる
最後のページは「どんなものでもウラパン・オコサできるよ」と感じさせてくれます。
実際、数を数えるときに2と1で分けることで、いつでもどこでもウラパン・オコサをすることができるんです。
絵本を読んだ後、自分でも楽しめるところが楽しいポイントです!
数遊びを楽しんでくださいね。
とけいのほん①(おすすめの対象年齢・5歳~)
作 | まついのりこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1973年 |

5歳からおすすめ
・キャラクターが可愛い!
・時計の読み方を、分かりやすく教えてくれる
・とけいのほん②に続く・・・
ポイント①キャラクターが可愛い!
このお話はこんな風にはじまります。
ちびと のっぽ
さんぽに でかけるよ しゅっぱつ

ちびとのっぽ?
ちびは時計の短針のことで、のっぽは長針のことでした。
この二人は時計を飛び出して自立しています(笑)
そんな二人が出会ったのは「どんぐりぼうや」と「ひかりのぼうや」でした。
表紙にも登場していますね。
個性的なキャラクターが、「とけいのほん」の世界を楽しくしてくれていておすすめです。
ポイント②時計の読み方を、分かりやすく教えてくれる
「とけいのほん①」では、時計の造りと、○時といったぴったりの時刻の読み方、○時半という半の時刻の読み方を教えてくれます。
ぴったりの時刻はこうやって教えてくれました。
まず ちびのあたまの すうじを
みてごらん 7だね
こんどは のっぽを みてごらん
のっぽは まっすぐ 12のところを
むいてるね
こんなときは ただ「7じ」って
いえば いいんだよ
分かりやすいですね。
次は半の時刻です。
さあ ちびを みてごらん
ちびは 1じを すぎてしまったね
でも まだ 2じには いっていないよ
こんなときは まず 「1じ」って いうんだよ
つぎに のっぽを みてごらん
あわてんぼうの のっぽは もう とけいを
はんぶん まわったよ
だから 「はん」って いうんだよ
ちびと のっぽを つづけて いってごらん
「じこくは 1じはん」
これで半の時刻も知ることができました。
すぐ側で教えてもらっているかのような話し方が、親しみやすくていいと思います。
ポイント③とけいのほん②に続く・・・
楽しく散歩をしてきたちびとのっぽ。
次第に日が暮れて夜になりました。
すると、暗くなって困った2人を助けるかのように、こんな言葉が・・・。
もっと すすみたいひとは
とけいのほん②を みてごらん
とけいのほん②に続くんですね(笑)
続きになっているので、「といけいのほん①」と「とけいのほん②」はセットで読むのがおすすめです。
ではそのとけいのほん②についても見てみましょう!(↓へ続く)
とけいのほん②(おすすめの対象年齢・5歳~)
作 | まついのりこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1973年 |

5歳からおすすめ
・無理に進まないところが優しい
・ずっと持っていた荷物の秘密が明らかに!
・細かい分の読み方が分かる
ポイント①無理に進まないところが優しい
暗くなって困ったちびとのっぽはこんなことが書かれていることに気がつきました。
この4つの とけいは それぞれ なんじ?
わかったら ランプを もって
つぎの ページに すすんでごらん
わからないときは もういちど
とけいのほん ①を みてごらん
理解度を見て、このまま読み進めるか、とけいのほん①に戻るかを自分で決められるようになっているんですね。
無理に進めないところが優しいと思いました。
ポイント②ずっと持っていた荷物の秘密が明らかに!
とけいのほん①の時から、荷物を引いていたちびとのっぽ。
細長い棒のようなブロックの塊のようなものを持っていたのですが、その秘密がこのとけいのほん②で明らかになりました!
のっぽが にもつを おろすよ
カードが 5ずつ くっついている
いま いくつ ならべたかしら
15だね
ブロックではなく、カードが5枚ついていたんですね。
つまり、カード1枚が1分です。
そのカードを時計の数字と数字の間に並べてこう聞きます。
12のところから 2のところまで
カードは いくつ ならんだかな
3のところまで いくつ?
5のところまで いくつ?
カードを かぞえるときは
12のところから かぞえるんだよ
カードが20のところまでやってきているのなら「20ぷん」というわけですね。
分かりやすいです。
ポイント③全部数えなくていい
毎回12から全部数えていたら大変です。
だからこんな方法も教えてくれています。
6のところまでで カードは 30だったね
だから 7のところまででは 35
細かい所まで教えてくれてありがとうございます・・・!(笑)
時計の読み方を知るのに、とけいのほん①と、とけいのほん②はとてもおすすめです。
ぜひ読んでみてください!
数ってどこまでかぞえられる?(おすすめの対象年齢・6歳~)
作 | ロバート・E・ウェルズ |
訳 | せなあいこ |
出版社 | 評論社 |
出版年 | 2016年 |

6歳からおすすめ
・子どもの興味関心に合っている
・身近なところから想像が広がる
・宇宙に想いを馳せる
ポイント①子どもの興味関心に合っている
子どもに「1番大きい数って何?」と聞かれたらなんて答えますか?
日本語で一番大きい数は無量大数です。
でもこの絵本に登場する1番大きい数は、それよりもゼロが30個くらい多い「グーゴル」という数です。
グーゴルは10の100乗です。
グーゴルという言葉は、数学者エドワード=カスナーが9歳の甥(おい)の発言をヒントに造語したとする説と、物理学者ジョージ=ガモフが著書の中で造語したとする説があります。

ちなみに、グーゴルはGoogleの元になった言葉なんですよ
この絵本は「数ってどこまでかぞえられる?」ということを、絵とお話で分かりやすく伝えてくれています。
子どもの興味関心にそっていて、子どもに身近なものをたくさん挙げていているところが、分かりやすくておすすめです。
ポイント②身近なところから想像が広がる
もしきみが、ほんとに大きい数字を
見つけたいなら、そりゃきっと1ではないね。
1は、きみが鼻にのっけられるバナナの数。
バランスをとるのがじょうずだったら・・・・・・
って話だけどさ。
最初に登場したのは1本のバナナでした。
女の子がバナナを鼻にのせています。
1のうしろにゼロをひとつ、つけてみよう。
10になるね。
ゼロをひとつつけたすと、数は10ばいになる。
10本のバナナとなると、サルだって、
バランスをとるのは、たいへんだ!
けど、10は、まだまだ小さいすうじだよ。
サルが10本のバナナでバランスを取っています。
そして・・・
10✕10は100になる。
100は、大きい数字だと思う?
たしかに、100本のバナナで
バランスをとるのは、むずかしい!
バナナが100本になりました!
その様子が絵で分かりやすく、子ども達は夢中になって聞いてくれると思います。
ポイント③宇宙に想いを馳せる
その後は、100羽のペンギンがそれぞれ10個アイスをもっていたら、とか、10,000まいの硬貨が空からふってきたら1,000枚ずついれて、10個のブタの貯金箱をがいっぱいになる、などと考えて、数はどんどん大きくなっていきました。
そしていつしか銀河系の星になり、星の数になり、太陽から一番近い星のプロキシマ・ケンタウリまでの距離になりました。
そして数はついにグーゴルになったのです!
でも絵本では、数字には終わりがない、と書かれていました。
最後の言葉はロマンを感じてぐっときます。
数の本の集大成として、ぜひ読んでほしい1冊です。
まとめ
今回は【楽しい!すうじの絵本・とけいの絵本】をテーマに8冊紹介しました。
気になる絵本はありましたか?
どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。
紹介された絵本をもう一度チェックしたい方はこちら
当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。
どれもおすすめの絵本ですのでぜひ読んでみてください。
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