保育士おすすめ!5歳児が本当に喜ぶ絵本3選

絵本

この投稿を見てくださっている方は、5歳児のお子さんや園児に読み聞かせしてみようと思っている方が多いと思います。

でも、いざ絵本を選ぼうと思うとたくさんあって悩んでしまいますよね。

ロングセラー絵本から選べばいいといいますが、それもかなりの量です。

折角お金をかけて絵本を購入しようと考えていたり、図書館で選んであげようとしているなら、できるだけ子どもが喜んでくれる絵本を選びたいですよね。

今回は、司書資格を持つ保育士、弓子が「もし5歳児に3冊しか読み聞かせられなかったとしたら?(厳選した3冊)」について考えてみました。

選んだポイントは、

  • 実際に読んだときによく聞いてくれた絵本
  • なるべくたくさんの子に喜ばれそうな絵本

です。

5歳児に人気の絵本が知りたい方や、5歳児が喜ぶ絵本が知りたい方は参考にしてみてくださいね。

保育士おすすめ!5歳児が本当に喜ぶ絵本3選

11ぴきのねこ

文・絵馬場のぼる
出版社こぐま社
出版年1967年

発売から56年経ったロングセラー絵本です。

有名なのでご存じの方も多いかもしれませんね。

可愛くて面白いです!

ポイント①ゆるい絵がかわいい

ラフに描いた線やにこにこしているねこの表情がゆるくてとっても可愛い絵本です。

作者の馬場のぼるさんは漫画を描かれていたこともあるようで、そのせいか描き方がちょっと漫画っぽくて親しみやすいです。

ねこが11ぴきもいるので画面はいつも賑やかですよ。

いつもはバラバラに行動するねこたちがいざとなって団結して一斉に動く場面は見応えがあります。

子どもも大人も好きな可愛いイラストに癒やされてください♪

ポイント②ユーモラスなストーリー

「11ぴきのねこ」には以下の続編が発売されています。

  • 11ぴきのねこ
  • 11ぴきのねことあほうどり
  • 11ぴきのねことぶた
  • 11ぴきのねこ ふくろのなか
  • 11ぴきのねことへんなねこ
  • 11ぴきのねこ マラソン大会 (絵巻えほん)
  • 11ぴきのねこ どろんこ

どの絵本にも共通しているのが、ユーモラスな面白さがあるところです。

「11ぴきのねこ」のお話はこうです。

いつもおなかをすかせていた11ぴきのねこが湖にいかだでこぎ出し、体力と知恵をつかって巨大な魚を手に入れます。

でもみんなを驚かせたいので食べずに持って帰ろうとみんなで決めます。

 「それまでは ぜったいに たべないこと!」

 「さんせーい。」

と約束しました。

よだれがでてくるのをがまんしつつ、ちらっちらっと後ろをみるねこたち。

そして、みずうみがまっくらやみになって夜があけるとーーーー

魚が骨だけに!!

動物の本性でしょうか。

我慢できずに食べてしまったんですね(笑)

このオチは、見せ方も上手で思わず笑ってしまいます。

ポイント③見守るナレーターのあたたかさ

このお話は3人称のナレーターと、ねこたちの会話、漫画的のように簡略化した絵ですすんでいきます。

11ぴきのうち、しま模様のあるねこが親分肌の「とらねこたいしょう」です。

とらねこたいしょうはリーダーシップを発揮して「おうい しょくん」と呼びかけて、捕まえた大きな魚を持って帰ろうと提案します。

みんなも賛成しましたが結局は我慢できずに食べてしまいます。

骨だけになった魚と、ふくれたお腹を上にして寝そべる猫たちを見たナレーターの嘆きがいいんです。

 ああ! のらねこたち! たべちゃった!

この言い方が笑いを誘うんですよね(笑)

だめなねこたちを見守るこのナレーターの存在が、この絵本の温かい雰囲気を作っているんだと思います。

「11ぴきのねこ」の次にオススメなのが、

  • 「11ぴきのねこふくろのなか」
  • 「11ぴきのねことぶた」

です。

この2冊は特に、だめなねこたちとオチが面白くて子どもも大人も笑ってしまいます。

「11ぴきのねこ」が気に入ったらぜひチェックしてみてくださいね。

おおかみと七ひきのこやぎ

グリム童話
フェリクス・ホフマン
せた ていじ
出版社福音館書店
出版年1967年

発売から56年経ったロングセラー絵本です。

こちらも愛されている絵本ですね。

昔話絵本の名作です。

ポイント①美しいイラスト

細い線と落ち着いた色調は、まるで美術品をみているかのようで美しいです。

深緑と淡い黄色、黒、白、灰色と、色少なめに塗られた配色がおしゃれな一冊。

美しいですが画面が静かすぎると言うこともありません。

おおかみが飛び込んでくる場面や、おかあさんやぎが悲しみに暮れる場面、おおかみが井戸に落っこちる場面などはちゃんと動きがあって、すごくドラマティックです。

そして、おかあさんやぎと子やぎとおおかみの描き分けが見事なんです!

おかあさんやぎは仕草がとても上品で、美人。

子ヤギはおなかがぽっちゃりしていていかにも”子ども”です。

おおかみはスタイリッシュで荒々しい様子。

知恵の働く悪者は得てしてスマートな外見をしていることが多い気がするのは私だけでしょうか?

それぞれの登場人物をしっかり描き分けているところが物語に深みを与えてとても魅力的だと思います。

ポイント②いい絵本に出会えるチャンスをくれます

このお話は、おかあさんやぎが留守の間に、子やぎたちが悪賢いおおかみに食べられてしまいますが、生き残った一番下の子やぎとおかあさんやぎが眠っているおおかみのお腹を切り裂いて子やぎたちを助け出す、という物語です。

誰もが知っている話だからこそ、大人も子どもも共通のイメージをもって読めることがいいですね。

劇遊びにも向いていると思います。

そして、昔話や名作のように誰もが知っていてよく出回っている絵本は、いわゆる子どもにとっていい絵本(子どもが夢中になって聞ける絵本)を選べるようになるチャンスだと思います。

昔話や名作はもとの話の面白さがあるのでどんな絵本でもある程度面白くはなりますが、やっぱりいい絵本はすごく面白いです。

同じ話を題材にしているのに、読んでみたら子どもの聞き方が全然違うことがあります。

大人も読んでいるときにお話の楽しさや深みが違うこと気づけたら、次に選書するときの視点が変わってくると思います。

絵本のはじめの部分だけでもいいのでぜひ読み比べてみてください。

子どもが夢中になれる絵本を読んであげたら、子どもが自然と読書好きになっていくと思いますよ。

ポイント③原作に忠実な描写をしている

昔話には残酷な描写が多いです。

この絵本には、オオカミが井戸に落ちたところを子やぎたちが「おおかみ しんだ!」と喜ぶ描写があります。

これは善悪の明確な判断を、残酷な話を通して子どもたちに伝えたいというメッセージが込められているためだと言われています。

でも現在、昔話の残酷な場面を書き換えたり、取り除いたりした絵本も多く見られます。

しかしこれは、昔話の物語としての魅力をなくすばかりか、残酷な場面の描写が人間の醜さ、自然の驚異、死の恐怖などを知る機会を見落とすことにもなる、という意見があるそうです。

私は詳しくは分かりませんが、残酷な描写がある昔話も読み聞かせたいと思っています。

生きていくだけで大変な時代に、その時代を生き抜く知恵として子どもにお話を語り継いできたことを思うと、その狙い通り読むことが子どもにとっていいと思うからです。

今だって生きるだけで大変な時代です。

知恵は必ず役に立つと思います。

昔話は、子どもの無意識に語りかけると言います。

昔話は、無意識のうちに抱いている不安を和らげ、子どもを勇気づけて、人生に立ち向かう力を与える、だからこどもにとって大切だという考えがあるそうです。

私は昔読んだ「わらしべ長者」のお話が大好きでした。

交換したものがこんなに大きくなってサプライズで返ってくるなんてすごーい!信じられない!

って思ってました(笑)

人にいいことをすると何かいいことが返ってくるんだなって思いました。

その気持ちが、無意識レベルで大人になった今もあるとしたら、それは私の生きる知恵になって私を支えてくれているのかもしれません。

おしいれのぼうけん

ふるた たるひ
たばた せいいち
出版社福音館書店
出版年1986年

発売から37年経ったロングセラー絵本です。

弓子ポイントは?

ポイント①ワクワクする冒険ファンタジー

この絵本は読み出したらやめられない、手に汗にぎる冒険ファンタジーです。

物語はこんなふうにはじまります。

 ここは さくらほいくえんです。

 さくらほいくえんには こわいのもが ふたつあります。

 ひとつは おしいれで ひとつは ねずみばあさんです。

主人公は、さとしとあきらという二人の男の子です。

2人はミニカーの取り合いをして、友だちの手を踏みつけてしまい、水野先生に押し入れに閉じ込められてしまいます。

なかなか謝らないで押し入れから出してもらえない2人は、次第に結束します。

それが表紙の絵に繋がるんですね。

こころを通わせた二人に、ファンタジーの扉が開かれます。

恐ろしいねずみばあさんが、たくさんのおとものネズミを連れて現れるのです。

二人はこれからどうなるのか??

それはぜひこの絵本を読んでみていただけたらと思います。

読後感もいいですし、最初から最後まで息つく間もなくて物語への没入感を感じられる一冊です。

子どもたちが親しんでいる絵本の中ではかなり長いと思います。

中には読書経験が少なくて飽きてしまう子もいますが全判的にはよく聞いてくれると思います。

読み聞かせているうちに子どもたちの表情が真剣に変わっていくのを見られると思いますよ。

ポイント②5歳児の姿がみずみずしく描かれている

2人はそれぞれに言い分があって納得していないので簡単に謝ったりしません。

大人が「いけない」と言うから悪いことなんだ、とは簡単に判断しないんですね。

自分なりに考えて納得のいく理由がないと言いなりにはなりません。

おかしいと思うことについて言葉や行動で表現できるのが5歳児で、この絵本ではそんな5歳児の姿をしっかり描いていると思います。

そうこうしているうちにさとしが、

  「あーくん。さっきは ごめんね。 ミニカー、かえすよ。これで、あそべよ。」

と、自分で判断して、自分から謝まります。

自ら判断して納得すると、自分から謝れるんですよね。

  「あーくん。がんばれ」

と励ますさとしを、あきらは

  さとちゃん、とっても いいとこあるなと、あきらは おもいました。

と感じています。

このように、物事を色んな角度から見る力が育ってきているのが5歳児です。

友だちのことも、色々な面から理解できるようになります・

この絵本、もし5歳児の子どもが自分たちの発達を客観的に見られていたなら「そうそう!分かる分かる!!」って、共感の嵐なんじゃないかと勝手に思ってます(笑)

ポイント③ねずみばあさんが強烈

読み聞かせしていても、「えっ、まだ追ってくるの!?」と思うくらいしつこいのがねずみばあさんです。

ねずみばあさんは、水野先生なんですよね。

力ずくで謝らせようとしてくる存在です。

でもそれになんとしてでも屈しない子どもたちは、本当にすごい冒険をしたなぁと思います。

この絵本はねずみばあさんのインパクトがすごいです!

読み聞かせてもらった子どもが大きくなっても忘れずに覚えているのはこのねずみばあさんのおかげなんじゃないでしょうか。

一度読んだらきっと忘れられない絵本になると思います。

まとめ

今回は5歳児を対象に、これは鉄板!と思う厳選した3冊をご紹介しました。

気になる絵本はありましたか?

どれか1冊でもあなたやお子さんのお気に入りになったら嬉しいです。

以下の記事では「【5歳児向け】読み聞かせの5つのコツ」について解説しているので、こちらの記事もぜひあわせて読んでみてください。

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