秋を感じるおすすめの絵本5選

絵本

2023年の秋はとても暑かったですが、朝晩は涼しさを感じるようになってきました。

少しずつ秋を感じられるようになってきましたね。

絵本にも秋を感じられる絵本がたくさんあります。

本記事では【秋を感じるおすすめの絵本】をテーマにして、司書資格を持つ保育士、弓子が、子どもに読み聞かせたい絵本を厳選して5冊選びました。

秋の読み聞かせの参考にしてみてくださいね。

秋を感じるおすすめの絵本5選

①あきのセーターをつくりに【おすすめの対象年齢・4歳~】

石井睦美
布川愛子
出版社ブロンズ新社
出版年2019年

静かで穏やかな秋を感じます

ポイント①あたたかくなる言葉

このお話は、りすの女の子”すりちゃん”が小さくなってしまったセーターを仕立屋さんのミコさんに直してもらう、というもの。

この絵本を始めて読んだとき、石田睦美さんは誠実な文章を書かれるんだなと思いました。

言葉選びが丁寧で引き込まれました。

ミコさんがすりちゃんに

 「どんなセーターを つくろうかしら。

 すりちゃんの きぶんを しらなくっちゃね」

と言って質問するシーン。

ミコさんとすりちゃんのやりとりは、楽しさと静寂と、色とりどりの秋を感じます。

言葉ひとつひとつに優しさを感じます。

ポイント②秋を感じるイラスト

イラストは細かいところまで書き込まれています。

細部までじっくりみたくなりますよ。

すりちゃんがポケットを選ぶ場面では、色々なポケットがページいっぱいに描かれています。

たくさんある中から選ぶのって楽しいですよね。

全体的にくすんだ色合いや色鉛筆を使っている感じはおしゃれで温かみがあります。

秋にぴったりの絵本だと思います。

ポイント③王道だけど、ちょっと違う

この絵本で好きなところは、セーターが小さくなった時、買い換えるのではなく作り替えるところです。

今あるセーターの毛糸をほどいて、湯気をあってて毛糸を伸ばして毛糸玉を作って、新しい毛糸も足しながらもう一度作って・・・

リメイクってなんでこんなにときめくんでしょう!

最後はこんな風に終わります。

 とんとんとん 

 おかあさん、ただいま。

 おおみやげですよ。

すりちゃんはセーターを直してもらうとき、おかあさんのお手伝いをしたいので、ポケットにどんぐりをたくさんいれたい(セーターに大きなポケットをつけてほしい)と言っていました。

新しく仕立ててもらったセーターの大きなポケットにどんぐりを詰めて、おかあさんへのおみやげを拾ってきたんですね。

最後のこの言葉は余韻と可愛らしさがあっていいな、と思いました。

王道なストーリーなんですけど、王道すぎないところが光っています!

②おばけのてんぷら【おすすめの対象年齢・4歳~】

作・絵せな けいこ
出版社ポプラ社
出版年1976年

うさことおばけが最高なんです!

ポイント①明るくって楽しい!

この絵本は読むと楽しい気持ちになる、明るい絵本です。

何が明るいかって、めがねをかけたうさぎのうさこが明るいんです。

こねこちゃんのお弁当にてんぷらが入っているのをみたうさこ。

 「ちょっと おあじみ させてよ わぁ おいしい。」

ちゃっかり食べます。

とっても美味しかったので、天ぷらを作るために材料を買ったうさこ。

 「おこづかい みんな 使っちゃったけど まあ いいや。」

お金がなくなったことは気にしません。

てんぷらを作っていても

 「うっかり まちがえて めがねを てんぷらの ころもの なかに ぽちゃん!」

です(笑)

からっとした秋晴れのように明るい絵本です。

ポイント②うさことおばけが可愛い!

ちっちゃなことは気にしない♪の、うさこが可愛いということはもうおわかりいただけたと思いますが(笑)、おばけも愛嬌たっぷりで可愛いんですよ。

鍵穴から入るために小さくなったおばけ。

小さいおばけのいたずらな感じやおいしそうに天ぷらをつまみ食いしているときの表情がとても可愛いです。

おばけなんですけど怖くないところがいいですね(笑)

ポイント③てんぷらが食べたくなる!

料理をテーマにしている絵本はやっぱり作っている場面がいいですね。

材料を切って、衣を作って、野菜を衣につけて、熱い油で揚げる。

料理している過程をていねいに見せてくれていることもあって、わくわくして、無性に天ぷらが食べたくなります。

食欲の秋におすすめです!

③14ひきのかぼちゃ【おすすめの対象年齢・3歳~】

いわむら かずお
出版社童心社
出版年1997年

弓子ポイントは?

ポイント①絵の力がすごい!

14ひきシリーズを語るのに絵は欠かせません。

圧倒的な画力で描かれた動植物と自然が目の前に広がって、これぞ絵の本という気がします。

詳しくはまた別の場所で語らせていただきたいのですが(笑)

14ひきシリーズでは、小さなねずみの家族の目線になって虫や葉っぱがとても大きく、自然を丁寧にリアルに描いていることが特徴にあげられます。

「14ひきのかぼちゃ」もそうですね。

特にこの絵本は、かぼちゃの種をまいてかぼちゃの実ができるまでを追っているので、季節の移り変わりや日々のうつろいを感じることができます。

朝露が光る朝、雨、あばれまわる嵐、虫たちいきものが賑やかになる夜、みんみんぜみが鳴いて涼しい風が吹いてきた秋の始まり、トンボが飛ぶ秋・・・

生き生きと動くねずみたちにもぜひ注目してほしいです。

いわむらかずおさんの絵の魅力がギュッと詰まっています。

ポイント②ドラマティックなストーリー

かぼちゃの種をまくと次第に芽がでて、葉っぱが5まい6まいと増えていきます。

ねずみたちはどろが跳ねないように枯れ草を引いてあげたり、葉っぱを食べる虫を追い払ったりします。

雨の日もカボチャの様子を見に来ているねずみたち。

そのうちにカボチャの花が咲いてついにかぼちゃの実がなります。

その実にかぼちゃんと名前をつけました。

草のお布団をしいてあげたり嵐の日には雨具をつけてかぼちゃんが飛ばされないように押さえたり。

そうしてようやく大きなかぼちゃが実りました!

ねずみたちにとって、おおきなかぼちゃを収穫するのは大変です。

スコップでほり出してみんなで運びます。

そして、やっとおいしいかぼちゃコロッケやかぼちゃまんじゅう、かぼちゃの煮つけ、かぼちゃスープやかぼちゃパイを食べることができました。

種をまいてからかぼちゃを収穫して食べるまでに本当に色々なことがありました。

小さなねずみたちだからこそ日常がドラマティックで、読んでいる私たちもワクワクさせてくれます。

ポイント③身近な生き物がたくさん出てくる!

こちらも14ひきシリーズに共通しているのですが、身近な生き物・虫などがたくさん出てきます。

この絵本の中には以下の虫が登場します。

うりむし、蝶々、かまきり、あおかえる、かたつむり、しゃくとりむし、ミツバチ、くも、こおろぎ、てんとう虫、蛾、赤とんぼ、バッタ、オニヤンマ、オンブバッタ、とかげ、アゲハチョウなどなど・・・

とてもたくさん登場するので、虫や生き物が好きな子にはたまらないと思います!

子どもの「いた!」「みつけた!」がたくさん聞ける楽しい絵本です。

春~秋は虫がたくさん見つけられる時期なので、実体験と照らし合わせて楽しむのもいいですね。

④ぽっかりつきがでましたら【おすすめの対象年齢・2歳~】

内田麟太郎
渡辺有一
出版社文研出版
出版年2007年

深い余韻を味わえます。

ポイント①言葉のセンスが光ってます!

初めて読んだときから、すぐ大好きな絵本になりました。

 ぽっかり つきがでましたら ○○するでしょう

というように、「ぽっかり つきがでましたら」の後が色々と変わっていき、最後はお茶目に終わっていきます。

お話は短くてリズミカルです。

文を担当された内田麟太郎さんは詩人ですので、詩の絵本、と言っても差し支えないかもしれません。

文を紹介したい気持ちもあるのですが、オススメ②の項目でお話しする通り、言葉と絵がとてもよく合っているので、文だけを紹介するのは気がひけます。

この絵本の第一印象は、ぜひ手に取って読んで決めてほしいです。

秋に何度でも読みたいおすすめの絵本です。

ポイント②言葉と絵がこれ以上ないくらいぴったり!

まず表紙ですが「ぽっかり」にこれ以上ないほどお似合いな「ぽっかりとしたお月様」が夜空でにっこりと笑っています。

その側にあるのは夜空を悠々と泳ぐ魚たち。

それを、美味しそう・・!と言わんばかりに無数の猫たちが瓦屋根上から見上げています。

こんな光景現実にはないですよね。

全体を通してもありえないと思える文に幻想的な絵がのせられて、ファンタジックです。

でも東京の下町を舞台にしたような現実感のあるイラストもあって、ノスタルジックな雰囲気も漂います。

文だけではこれほどの余韻はなかったでしょうし、絵だけだったらこんなに深みのある絵本にならなかったと思います。

調和しているというんでしょうか。

すごいと思います。

ポイント③ナンセンス、と言いきれない余韻の深さ

オススメ②でも触れましたが、この絵本には余韻が感じられます。

終わったのに、まだ終わってないような、また最初から読みたいような・・・。

ナンセンスの絵本って、面白い本だけじゃなくて、こんな余韻のある絵本にもなるんだという発見をさせていただきました。

おすすめです!

⑤るすばん【おすすめの対象年齢・3歳~】

さとう わきこ
出版社福音館書店
出版年1995年

やるせなくっておかしい!

ポイント①想像のおばけが楽しい!

このお話は、主人公の女の子がおかあさんに

 「かいものに いってくるから るすばんしててね」

と言われてるすばんをするお話です。

でもふと家の中がしんと静まっている気がして、

 「もしかして となりのへやに おばけが いるかもしれないよ」

と、想像のおばけが続々と登場します。

ほんのおばけ、ふとんのおばけ、けむりのおばけ、べんじょおばけ、きものおばけ・・・

姿形は色々で、どこかコミカルな表情、でもちょっと怖いような・・・

おばけがたくさん出てくるところが子どもに人気で、今の時期にオススメです!

ポイント②どうしたらいいかを考える頼もしさ

でもこの女の子、想像だけでは終わりません。

 「そうだ、ぼんやりしてちゃ だめだよ。おばけが でたときの ようじんしなくちゃ」

と、次々と防衛戦を張っていくんです。

布団で陣地を作った後、

 「でも、もしも もしもよ、これでも おばけに つかまったら どうするのよ」

と想像して、

 「だいじょうぶ。つかまるまえに あみで つかまえちゃえば いいよ」

と網を持ってきます。

 「でも、いっぱい いたら つかまえきれないよ」

と言うと、掃除機を持ってきて

 「そういうときは これが あるさ」

と、自信たっぷりです。

流れるように考える作戦の数々に子ども達もどんどん引き込まれていきますよ!

ポイント③やるせなさがおかしい

そうこうしているうちに、かいものにいってきたお母さんが帰ってきます。

散らかった部屋を見てお母さんは言います。 

 「まあ いやだ。こんなに ちらかして!いったい ぜんたい どうしたの!」

すると女の子が抗議します。

 「かいものに ついれてってくれないから いけないんだもん。いきたかったのにさ」

すると、このお母さんなかなかで、こう言います。

 「おや、ちょうどいいわ。わすれたかいものが あるのよ。はい、おつかい いってきて!」

そうじゃなくて、女の子はお母さんと一緒に行きたかったんです。

もう!と思いなからも女の子が買い物へ行こうと外へ出ると、あれ、雨が・・・(笑)

この女の子、何も思い通りになってないんですよね。

お母さんと一緒に買い物に買い物へいけなかったし、おばけと戦おうと防衛戦を張ったのにお化けは出てこなかったし、なんなら片付けなさい!って怒られるし、文句言ったら一人で買い物行ってきて、って言われるし、仕方なく行こうとしたら雨に降られるし・・・

このやるせなさがなんともいえない哀愁を誘います(笑)

ぜひこの哀愁を味わってみてほしいです(笑)

まとめ

本記事では【秋を感じる絵本】をテーマに、厳選して5冊選んでみました。

気になる絵本はありましたか?

どれか1冊でも、あなたやお子さんのお気に入りになったら嬉しいです。

ぜひ秋の読み聞かせを楽しんでくださいね。

当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。

どれもおすすめの絵本ですので、良かったら読んでみてくださいね。

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