秋を感じるおすすめの絵本5選

絵本

朝晩が涼しくなって、少しずつ秋を感じられるようになってきましたね。

絵本にも秋を感じられる絵本がたくさんあります。

本記事では【秋を感じるおすすめの絵本】をテーマにして、司書資格を持つ保育士、弓子が、絵本を5冊選びました。

秋の読み聞かせの参考にしてみてくださいね。

秋を感じるおすすめの絵本5選

①あきのセーターをつくりに【おすすめの対象年齢・4歳~】

石井睦美
布川愛子
出版社ブロンズ新社
出版年2019年

静かで穏やかな秋を感じます

・4歳から
・好きなものを選ぶのが楽しさがある
・秋の夜長に合う

ポイント①あたたかくなる言葉

このお話は、りすの女の子”すりちゃん”が小さくなってしまったセーターを仕立屋さんのミコさんに直してもらう、というもの。

絵本の言葉選びが丁寧で引き込まれました。

ミコさんがすりちゃんに

 「どんなセーターを つくろうかしら。

  すりちゃんの きぶんを 

  しらなくっちゃね」

と言って質問するシーン。

ミコさんとすりちゃんのやりとりは、言葉ひとつひとつに優しさを感じます。

ポイント②秋を感じる絵

細かいところまで書き込まれた絵はじっくりみたくなります。

すりちゃんがポケットを選ぶ場面では、色々なポケットがページいっぱいに描かれて迷ってしまうほど。

選ぶって楽しいですよね。

ぜひ選ぶことを楽しんで下さいね。

ポイント③リメイクっていいよね

この絵本で好きなところは、小さくなったセーターを買い換えるのではなく作り替えるところです。

今あるセーターの毛糸をほどいて、湯気をあってて毛糸を伸ばして毛糸玉を作って、新しい毛糸を足して・・・

リメイクってなんでこんなにときめくんでしょう・・・!

最後はこんな風に終わります。

 とんとんとん 

 おかあさん、ただいま。

 おおみやげですよ。

新しく仕立ててもらったセーターの大きなポケットにどんぐりを詰めて、おかあさんへのおみやげを拾ってきたんですね。

最後のこの言葉は余韻と可愛らしさがあっていいな、と思いました。

②おばけのてんぷら【おすすめの対象年齢・4歳~】

作・絵せな けいこ
出版社ポプラ社
出版年1976年

うさことおばけが最高なんです!

・4歳から
・楽しくなれる、明るい
・食欲の秋、ハロウィーンの時期に読みたい

ポイント①明るくって楽しい!

この絵本は読むと楽しい気持ちになる、明るい絵本です。

主人公はめがねをかけたうさぎの「うさこ」。

こねこちゃんのお弁当にてんぷらが入っているのを見たうさこは、

 「ちょっと おあじみ させてよ 

  わぁ おいしい。」

ちゃっかり食べます。

とっても美味しかったので天ぷらの材料を買ったうさこ。

 「おこづかい みんな 使っちゃったけど

  まあ いいや。」

お金がなくなったことは気にしません。

てんぷらを作っていても

 「うっかり まちがえて めがねを 

  てんぷらの ころもの なかに 

  ぽちゃん!」

です(笑)

からっとした秋晴れのように明るい絵本です。

ポイント②うさことおばけが可愛い!

ちっちゃなことは気にしない♪うさこも、愛嬌たっぷりなおばけも可愛いですよ。

鍵穴から入るために小さくなったおばけ。

小さいおばけのいたずらな感じやおいしそうに天ぷらをつまみ食いしているときの表情がとても可愛いです。

おばけなんですけど全く怖くないところがいいですね(笑)

ポイント③てんぷらが食べたくなる!

料理をテーマにしている絵本はやっぱり作っている場面がいいですね。

材料を切って、衣を作って、野菜を衣につけて、熱い油で揚げる。

料理している過程をていねいに見せてくれているので、わくわくして、無性に天ぷらが食べたくなります。

食欲の秋におすすめです!

③14ひきのかぼちゃ【おすすめの対象年齢・3歳~】

いわむら かずお
出版社童心社
出版年1997年

絵もすてきな絵本です

・3歳から
・自然や虫を見て楽しめる
・秋にぴったり!

ポイント①絵の力がすごい!

「14ひきシリーズ」は確かな画力で描かれた動植物と自然が魅力です。

この絵本は、かぼちゃの種をまいてかぼちゃの実ができるまでを追っているので、季節の移り変わりや日々のうつろいを感じることができます。

・朝露が光る朝

・雨

・あばれまわる嵐

・虫たちいきものが賑やかになる夜

・みんみんぜみが鳴いて涼しい風が吹いてきた秋の始まり

・トンボが飛ぶ秋・・・

生き生きと動くねずみたちにもぜひ注目してほしいです。

いわむらかずおさんの絵の魅力がギュッと詰まっています。

ポイント②ドラマティックなストーリー

かぼちゃの種をまきました。

芽がでて、葉っぱが増えていきます。

ねずみたちはどろが跳ねないように枯れ草を引いてあげたり、葉っぱを食べる虫を追い払ったりします。

雨の日もカボチャの様子を見にいきました。

そのうちにカボチャの花が咲いて、かぼちゃの実がなりました。

その実にかぼちゃんと名前をつけました。

草のお布団をしいてあげたり嵐の日にはかぼちゃんが飛ばされないように押さえたり。

そうして大きなかぼちゃが実りました!

ねずみたちが大きなかぼちゃを収穫するのは大変です。

スコップでほり出してみんなで運びます。

そして、やっとおいしいかぼちゃコロッケやかぼちゃまんじゅう、かぼちゃの煮つけ、かぼちゃスープやかぼちゃパイを食べることができました。

種をまいてからかぼちゃを収穫して食べるまでに本当に色々なことがありました。

小さなねずみたちだからこそ日常がドラマティックで、読んでいる私たちもワクワクさせてくれます。

ポイント③身近な生き物がたくさん出てくる!

この絵本には、身近な生き物・虫などがたくさん出てきます。

うりむし、蝶々、かまきり、

あおかえる、かたつむり、しゃくとりむし、

ミツバチ、くも、こおろぎ、

てんとう虫、蛾、赤とんぼ、バッタ、

オニヤンマ、オンブバッタ、

とかげ、アゲハチョウなど・・・

虫や生き物が好きな子にはたまらないと思います!

子どもの「いた!」「みつけた!」がたくさん聞ける楽しい絵本です。

春~秋は虫がたくさん見つけられる時期なので、実体験と照らし合わせて楽しむのもいいですね。

④ぽっかりつきがでましたら【おすすめの対象年齢・2歳~】

内田麟太郎
渡辺有一
出版社文研出版
出版年2007年

深い余韻を味わえます。

・2歳から
・リズミカルな言葉の響きを楽しめる
・余韻がある

ポイント①詩がいい!

 ぽっかり つきがでましたら 

 △は○○するでしょう

というように、△や○○の内容が変わりながら進みます。

お話は短くてリズミカル。

ちょっとお茶目で可愛い終わり方もおすすめです。

文を担当された内田麟太郎さんは詩人ですので、詩の絵本、と言っても差し支えないかもしれません。

言葉と絵がとてもよく合っている素敵な絵本で、秋に何度でも読みくなります。

ポイント②言葉と絵がぴったり!

表紙では「ぽっかりとしたお月様」が夜空でにっこりと笑っています。

その側には夜空を悠々と泳ぐ魚たち。

それを、美味しそう・・・!と思っているのか、猫たちが瓦屋根から見上げています。

こんな光景現実にはないですよね。

ありえないと思える文に幻想的な絵がのせられて、ファンタジックです。

でも東京の下町を舞台にしたような現実感のある絵もあって、ノスタルジックな雰囲気も漂います。

文だけではこれほどの余韻はなかったでしょうし、絵だけだったらこんなに深みのある絵本にならなかったと思います。

言葉と絵がぴったり合っていていいです!

ポイント③余韻が深い

終わったのにまだ終わってないような、また最初から読みたくなるような・・・。

ナンセンスな絵本でもあると思うのですが、ナンセンスで面白いだけじゃなく、深い余韻も感じられる絵本です。

おすすめです!

⑤るすばん【おすすめの対象年齢・3歳~】

さとう わきこ
出版社福音館書店
出版年1995年

やるせなくっておかしい!

・3歳から
・想像おばけとの戦いが面白い
・ラストのやるせなさがいい

ポイント①想像のおばけが楽しい!

このお話は、女の子がお母さんに言われてるすばんをするお話です。

ふと家の中がしんと静まっている気がした女の子。

 「もしかして となりのへやに 

  おばけが いるかもしれないよ」

と、想像のおばけが続々と登場します。

ほんのおばけ、ふとんのおばけ、けむりのおばけなど・・・

姿形は色々で、どこかコミカルな表情、でもちょっと怖いようなおばけです。

おばけがたくさん出てくるところが子どもに人気で、今の時期にオススメです!

ポイント②どうしたらいいかを考える頼もしさ

この女の子、想像だけでは終わりません。

 「そうだ、ぼんやりしてちゃ だめだよ。

  おばけが でたときの 

  ようじんしなくちゃ」

と、次々と防衛戦を張りました。

 「でも、もしも もしもよ、

  これでも おばけに つかまったら

  どうするのよ」

と不安になった女の子。

 「だいじょうぶ。つかまるまえに

  あみで つかまえちゃえば いいよ」

と網を持ってきます。

 「でも、いっぱい いたら 

  つかまえきれないよ」

と言うと、掃除機を持ってきて

 「そういうときは これが あるさ」

と、自信たっぷり!

流れるように立てられる作戦の数々に子ども達もどんどん引き込まれていきますよ。

ポイント③やるせなさがおかしい

そうこうしているうちにお母さんが帰ってきます。

 「まあ いやだ。こんなに ちらかして!

  いったい ぜんたい どうしたの!」

すると女の子が抗議します。

 「かいものに ついれてってくれないから 

  いけないんだもん。いきたかったのにさ」

すると、このお母さんなかなかで、こう言います。

 「おや、ちょうどいいわ。

  わすれたかいものが あるのよ。

  はい、おつかい いってきて!」

この女の子、何も思い通りになってないんですよね。

・お母さんと一緒に買い物に買い物へいけなかったし、

・おばけと戦ったら最後は片付けなさい!って怒られるし、

・文句言ったら一人で買い物行ってきて、って言われるし・・・

このやるせなさがなんともいえない哀愁を誘います(笑)

ラストがキングオブ哀愁ですのでお見逃しなく!

まとめ

本記事では【秋を感じる絵本】をテーマに、厳選して5冊選んでみました。

気になる絵本はありましたか?

どれか1冊でも、あなたやお子さんのお気に入りになったら嬉しいです。

ぜひ秋の読み聞かせを楽しんでくださいね。

当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。

どれもおすすめの絵本ですので、良かったら読んでみてくださいね。

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