クリスマスは子どもにとってわくわくするイベントの一つですね。
本記事では【保育士おすすめクリスマスの絵本】をテーマにして、司書資格を持つ保育士、弓子が、今読み聞かせたい絵本を厳選して7冊選びました。
クリスマスの読み聞かせの参考にしてみてくださいね。
保育士おすすめ!クリスマスの絵本7選
クリスマスのかくれんぼ(おすすめの対象年齢・0歳~)
作・絵 | いしかわこうじ |
出版社 | ポプラ社 |
出版年 | 2014年 |
小さい子におすすめ!
0歳からおすすめ
・しかけが楽しい
・クリスマスの雰囲気がいっぱい!
・色が鮮やかでいい
ポイント①しかけが楽しい
この絵本は「かたぬきえほん」シリーズのクリスマスバージョンです。
かたぬき絵本とは、ページの一部に穴を開け、ページをめくった時の意外な変化を楽しむ、しかけ絵本の一種のことです。
また、ボードブックという厚い紙で作られた絵本で、小さい子が絵本をなめてしまっても簡単にダメにならない丈夫さが魅力です。
しかけ絵本は壊れやすいですが、ボードブックで壊れにくいところがいいですね。
かおも からだも まっしろだよ。
なにかな?
(ページをめくって)
ごろん ごろん
ころがして つくろう!
ゆきだるまでした。
こんな風に「何が出てくるんだろう?」というわくわく感や驚きがあって、ページをめくる楽しさを存分に味わうことができますよ。
ポイント②クリスマスの雰囲気がいっぱい!
この絵本はクリスマスに関係するものがたくさん登場します!
- 雪だるま
- リース
- 靴下
- ツリー
- トナカイ
- そり
- サンタクロース
- プレゼント
これだけのものが絵本に登場するのでとっても華やか!
クリスマスの雰囲気がいっぱい感じられますよ。
ポイント③色が鮮やかでいい
この絵本の表紙はなんとゴールドです!
そして絵本を開くと色鮮やかなページが広がります。
鮮やかなので小さい子でも見やすいですよ。
まるでおもちゃ箱みたいな絵本の世界を楽しんでくださいね。
クリスマスのふしぎなはこ(おすすめの対象年齢・2歳~)
文 | 長谷川摂子 |
絵 | 斉藤俊行 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 2008年 |
2歳からおすすめ
・不思議な箱をのぞいてみると・・・
・クリスマスのわくわく感が味わえる
・絵がきれい
ポイント①不思議な箱をのぞいてみると・・・
お話は男の子が縁の下である箱を見つけたところから始まります。
あれっ、なんだろう、このはこ。
あけてみよう。
箱を開けると・・・
あっ、サンタさんが いる。
なんと夜ベッドで寝ているサンタさんが見えました。
そうなんです。
この箱は今サンタさんが何をしているかが見える、不思議な箱だったんです。
この設定が珍しくて素敵なところです。
ポイント②クリスマスのわくわく感が味わえる
男の子は”サンタさんのはこ”をベッドの下に隠しました。
クリスマスが近いこともあって、サンタさんのことが気になる男の子。
「ねえ、おかあさん。サンタさん、
もう しゅっぱつしたかなぁ」
「そうねえ、サンタさん、
おねぼうしてないと いいけどねえ」
そこで男の子は”サンタさんのはこ”を見にいきました。
すると北極のような場所でサンタさんが白い袋をかついでいて、そりに積み込もうとしているところでした。
だいじょうぶ。サンタさんは
これから しゅっぱつするところだ。
こんな風に箱を通してサンタさんを実際に見られるので、サンタさんがやってくる前のわくわく感がとっても感じられますよ。
ポイント③絵がきれい
透明感があって、統一感のある色の絵が美しいです。
男の子は可愛らしく、お父さん、お母さんは、サンタさんはおおらかで素敵です。
美しい絵にもぜひ注目して読んでみてくださいね。
クリスマス★げきじょう(おすすめの対象年齢・3歳~)
作・絵 | ザ・キャビンカンパニー |
出版社 | 小学館 |
出版年 | 2018年 |
クリスマスの読み聞かせにはこれ!
3歳からおすすめ
・ナンセンスな楽しさがいっぱい!
・ファンタジーな表現がいい
・読み聞かせにぴったり
ポイント①ナンセンスな楽しさがいっぱい!
このお話は「クリスマス★劇場」開幕と題して4つの短編が載っています。
やあ ぼく てんしです。
きょうは みなさんに
クリスマスプレゼントを ようい
しました。
4つの ふしぎな おはなしです。
(ページをめくって)
それでは きいて ください。
はじまり はじまり・・・。
どのお話も普通ではありえないナンセンスがたくさん!
たくさんのナンセンスがはじけて元気いっぱいの絵本です!
ポイント②ファンタジーな表現がいい
この絵本にはファンタジーな表現がたくさん出てきます。
例えば「きらきらのたね」というお話では、しろうさぎたちがキラキラひかるふしぎな種を雪山に植えます。
種に油をそそぐと小さな火がぴょこんとはえたり、肥料にあま~い角砂糖をあげたりするんですよ。
「サンタのひみつ」というお話では、プレゼントを配り終わったサンタさんが「もう ひとしごとだ」と言って、夜空を飛びながら、袋に星と雲を集めます。
ファンタジーな表現が可愛いくってキュンとしてしまいます(笑)
ポイント③読み聞かせにぴったり
「クリスマス★劇場」というだけあって、この絵本の中にはプレゼントやクリスマスツリー、キャンドルにサンタクロースなど、クリスマスに関係するものが詰まっていてとても華やかです。
まるで絵本自体が大きなプレゼントのよう!
実際、裏表紙には絵本をラッピングしたような赤い糸が描かれていて、絵本がプレゼントになっているかのような演出がされています。
イラストが大きくはっきり描かれているので読み聞かせにも向いていると思いますし、展開を含めてみんなで盛り上がれると思います。
クリスマスにぜひ読み聞かせたい1冊です!
ぐりとぐらのおきゃくさま(おすすめの対象年齢・3歳~)
作 | なかがわ りえこ |
絵 | やまわき ゆりこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1967年 |
ぐりとぐらの冬のお話です
3歳からおすすめ
・ぐりとぐらの冬のくらしが見られる
・誰?が楽しめる
・楽しい終わり方がいい!
ポイント①ぐりとぐらの冬のくらしが見られる
森で雪合戦をしていたぐりとぐらは落とし穴をみつけました。
落とし穴をのぞいてみたらそれが足跡だということが判明!
「きつねかな」
「きつねより おおきいよ」
「くまかな」
「くまより おおきいよ」
「じゃあ、だれのかしらべてみよう」
「よしきた」
と言うわけで足跡をたどっていくと、足跡はなんとぐりとぐらの家に続いていたのです!
誰なのかを探るぐりとぐら。
そうしているうちに、ぐりとぐらの家の暖炉やベッド、お風呂などをのぞき見ることができました。
誰?探しも楽しめると同時にぐりとぐらの冬の生活が見られるところにもほっこりしますよ。
ポイント②誰?が楽しめる
ぐりとぐらの家に人影はありませんでした。
でも壁かけには金ボタンのついた真っ赤なオーバーがかかっています。
大きなえりまきと大きな帽子もかかっています。
大きな手袋と靴下も。
そして部屋のすみにはとても大きな袋が・・・!!?
「おきゃくさまは、いったい どこだろう」
ぐりが くびを かしげると、ぐらが、
「もしかすると、とっても とおい
ところから きたので、くたびれて
ひるねを してるんじゃないかな」
と いって、2ひきは
ベッドを みました。
色々な場所で次々に登場するアイテムを見て、あ、あの人だ!ってわかり始めて、それがどんどん確信にかわっていく。
そんな展開が楽しいお話です!
ポイント③楽しい終わり方がいい!
最後にはみんなでケーキを食べながら、歌ったり踊ったりしました。
そうしてクリスマスの素敵な夜を過ごしたんです。
心があたたかくなる優しい終わり方がまさにぐりとぐらですね。
繰り返し読みたくなる名作です。
ありがとう サンタさん(おすすめの対象年齢・4歳~)
文 | 内田麟太郎 |
絵 | かすや昌宏 |
出版社 | 女子パウロ会 |
出版年 | 2008年 |
余韻を味わって下さい
4歳からおすすめ
・サンタクロースって何?
・言葉少なめに語られるあたたかさ
・あたたかさと余韻を味わえる
ポイント①サンタクロースって何?
この絵本は、クリスマスって何?イエス・キリストって?サンタクロースって何?の疑問に、作者である内田麟太郎さんが一つの答えを出した内容になっています。
あとがきにはこう書かれていました。
「クリスチャンではないわたしが
クリスマスの絵本をこしらえる・・・・。
どうしたらいいのだろう。
わたしは考えるのをやめ、
ただ『イエスという方がおられるの
ならば、なにをなさるのだろう』
と想い続けました」
この絵本にはイエス・キリストは登場しませんが、同じくあとがきには、
「わたしはイエスという方が
おばあさんの中に宿っておられる
のを見るだけです。
いいえ、おばあさんがその方なのだ
と思えます。そうにちがいないと。」
と書かれています。
この絵本の題名は「ありがとうサンタさん」ですが、実際には、イエス・キリストに焦点をあてたクリスマスの絵本です。
読むと数々の疑問の答えを感じられるんじゃないかと思います。
ポイント②言葉少なめに語られるあたたかさ
お話の舞台は外国。
盗みをしてその日暮らしをしている家も身寄りもない男の子が、クリスマスの日の夜に奇跡の出来事を体験する―――というものです。
言葉が少なめにストレートに伝わってくる言葉が、ぼんやりとした輪郭の柔らかい絵につつまれて、語りかけれられている感じがします。
ぜひこの絵本の持つあたたかい空気を感じて下さいね。
ポイント③余韻を感じられる
主人公の男の子は生きていくために盗んでいます。
だから、
(どうせ ぼくの ところへなんか、
サンタは こないんだ、
ぼくの ところへなんか・・・)
と、サンタに焦がれながらもあきらめているんですね。
クリスマスの華やかな明るい光に照らされて、濃い影をおとす人もいる。
この絵本はそんな明るいだけではないクリスマスを感じさせてくれます。
この絵本の文字は少なめで短いお話ですが、読み終わった後に深い余韻を感じられると思います。
そんな余韻をぜひ味わってみてくださいね。
サンタさんからきたてがみ(おすすめの対象年齢・4歳~)
作 | たんのゆきこ |
絵 | 垂石 眞子 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1989年 |
楽しさがいっぱい!
4歳からおすすめ
・動物たちがいい!
・誰?を考えるのが楽しい
・にぎやかなクリスマス!
ポイント①動物たちがいい!
この絵本にはたくさんの動物が登場します。
主人公のねずみ、そしてねずみの友だちのうさぎ、ふくろう、りす、からす、くま、きつねです。
動物たちはとっても感情豊かに反応します。
落ち込んだり心配したり、「自分のことかな?」ってそわそわしたり、喜んだり、「ぼくにまかせて」と助けくれたり!
たくさん登場する元気いっぱいの動物たちに自然と感情移入できるところがいいですね。
ポイント②誰?を考えるのがたのしい
主人公はねずみの郵便配達やさん。
配達中に転んで手紙を雪の上に落としてしまいました。
そのうちの一通の手紙が、雪で濡れて宛名が消えてしまったんです。
落ち込むねずみに動物たちが心配してやってきました。
「ねぇ、ねずみさん、そのてがみ
だれからきたの?」
といううさぎの言葉で、ねずみは差出人をみました。
すると、「🎅(サンタクロース)より」という絵と文字が・・・
喜んだみんなは、誰宛か?を、にじんでしまった宛名の絵から推理します。
「エプロンが あおいから、
きっと わたしだよ」
「ねぇ、ぼうしを かぶって、
マフラーしているから、
これは おいらに きた てがみだ」
このように動物たちと一緒に「誰だろう?」と考えるところが楽しいポイントです!
ポイント③にぎやかなクリスマス!
なんと言ってもサンタさんとクリスマスツリーが出てくる場面がいいです!
絵が少し斜めになっていて、大きなクリスマスツリーの高さが強調されてる場面では、ぱーっと光るもみの木のふもとに優しそうなサンタクロースが立っています。
雪が降る夜に光るクリスマスツリーにサンタさん。
クリスマス感たっぷりでわくわくしますね!
クリスマスの華やかさ、動物たちのにぎやかさ、楽しさがいっぱい詰まっていて読後感もいい絵本です。
絵の柔らかいタッチも安心感があって、たくさんの子どもに気に入ってもらえると思います。
クリスマスのちいさなおくりもの(おすすめの対象年齢・5歳~)
作 | アリスン・アトリー |
訳 | 上條 由美子 |
絵 | 山内 ふじ江 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 2010年 |
小さな生き物たちのクリスマス
5歳からおすすめ
・絵が可愛い
・小さな世界のお話
・ねこの性格がいい
ポイント①絵が可愛い
淡い水色がメインカラーになっている絵本。
クリスマスというと赤・緑が主流ですが、このパステルカラーが珍しくて目を引きます。
この絵本の一番の魅力は、登場するねこ、ねずみ、サンタクロースなどがそれぞれ特徴を押さえながら生き生きと描かれているところです。
ねこは上着を着て二本足で立って、料理の時にはエプロンを着けます。
まるで人ですが、寝転んだり座ったりしている姿をみると、やっぱりねこなんです。
サンタクロースの表情もいいですよ。
優しげでお茶目な目元は柔らかい雰囲気ですが、ロッキングチェアにもたれかかる様子は、どっしりとした安心感があります。
素敵な絵の魅力をたくさん感じてくださいね。
ポイント②小さな世界のお話
ある家に住み着いているねずみがねこにこう言いました。
「チッ、チッ。
こんやは クリスマスイブだよ。
どうして なんにも
かざりつけが してないんだ?
どうして クリスマスの おいわいの
したくが できてないんだ?」
するとねこはこう答えます。
「クリスマスイブだからって、
あんまり ずうずうしく
するんじゃないよ。
そうさ、かざりつけは ないんだよ。
おかみさんは びょうきで
にゅういんしているし、
こどもたちだけじゃ
なんにも できないだろ。
だんなさんは すっかり
ふさぎこんでるしね」
するとねずみがいいました。
「チッ、チッ、ねこさん あんたが
なんとかしてくださいよ」
「こんやは みんなが なかよくする
よる、でしょ。
おれたちも てつだいますよ」
ねこはこう言いました。
「なかよくする よる、だって?
ああ、そうだったね、こんやは。
じゃあ、あたしも おまえたちを
たべたりしないようにするよ」
「さあ、なかまや しんせきを、
みんな つれておいで」
こうして、ねことねずみ、小さいいきものたちがクリスマスの準備を始めました。
ミンスミートパイやケーキを焼いたり、部屋やもみの木を飾り付けたり。
そしてもう1匹の小さな生き物がでてくるのですが、それは「くも」です。
くものおばあさんはくものキラキラひかる銀の糸で部屋を飾り付けてくれました。
小さな生き物たちがが頑張る姿が可愛らしいお話です。
ポイント③ねこの性格がいい
お話の最後にはサンタクロースがこの家にやってきます。
「こんなに きれいに かざられた
だいどころを みるのは、はじめてじゃ。
これは、きっと ようせいたちが
かざりつけたにちがいない」
といいます。
するとねこが
「ようせいたちじゃなくて
ねずみたちです」
と言いました。
ねこはちゃんとねずみがやったことを伝えているんです。
優しいですね。
その後、サンタクロースはダイヤモンドなのか、魔法のつゆだったのか分かりませんが、それをねずみたちの靴下にいれました。
これをみたねこは
「かざりつけを したのは、
おおぜいの ねずみたちと
やさしい しんせつな くもと、
それに このわたしめも、すこし・・・」
とつけ足しました。
ここでくもや自分のこともちゃんと伝えるところが、ねこだけど人間らしくていいな、と思いました。
読むと気持ちが柔らかく、あたたかな気持ちになれる一冊です。
ぜひゆったりとした気持ちで読み聞かせてみてくださいね。
まとめ
今回はクリスマスをテーマにした絵本を7冊紹介しました。
気になる絵本はありましたか?
どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。
紹介された絵本をもう一度チェックしたい方はこちら
当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。
どれもおすすめの絵本ですのでぜひ読んでみてください。
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