3歳児が夢中になる絵本があるのを知っていますか?
今回は【保育士おすすめ!3歳児が夢中になる絵本】をテーマに司書資格を持つ保育士歴16年目の保育士、弓子が絵本を選びました。
今まで読み聞かせてきた経験から、

3歳児の読み聞かせにはこれ!!
という絵本を3冊厳選しています。
選んだポイントは、
・よく聞いてくれる
・たくさんの子に喜ばれる
絵本です。
3歳児に人気で、3歳児が本当に夢中になる絵本が知りたい方は参考にしてみてくださいね。
保育士おすすめ!3歳児が夢中になる絵本3選
はらぺこあおむし
作 | エリック=カール |
訳 | もり ひさし |
出版社 | 偕成社 |
出版年 | 1976年 |

とても有名な絵本です
・カラフルで鮮やか!
・しかけが楽しい
・テンポのいいストーリー
ポイント①カラフルで鮮やか!

カラフルな色紙を切り貼りして描かれた絵が美しい絵本です。
どのページをめくっても鮮やかな色彩が広がります。
小さなあおむしから見た世界を表現するために、お月様やお日様はもちろん、葉っぱや食べ物が大きく描かれていて、それがこの絵本に迫力を与えているんですね。
横長の絵本の画面いっぱいに食べ物が並んだ様子や、最後蝶々になった時のイラストは圧巻で、子ども大人問わず人気があるのも納得です。
鮮やかで目立つので集団での読み聞かせにも向いていると思います。
ポイント②しかけが楽しい
この絵本にはしかけがあります。
例えば、あおむしがくだものを食べる場面。
りんご1個分の狭いページをめくると、食べ終えたあおむしと「まだ、おなかはぺっこぺこ」の文字。
次は、なし2個分の狭いページ。
めくると、食べ終えたあおむしと「やっぱりおなかはぺっこぺこ」の文字が書かれています。
そしてそれぞれのくだものに小さな穴があいています。
このようにページの横幅が変わったり、丸い穴があいたりするしかけは、子どもが飽きずに見られる楽しいポイントになっています。
ポイント③テンポのいいストーリー
この絵本は、あおむしが卵からかえって幼虫になり、さなぎになって、最後はちょうちょになるというもの。
日曜日に卵からかえったあおむし。
おなかがぺこぺこで、月曜日から土曜日までたくさん食べます。
そして土曜日は、
チョコレートケーキとアイスクリームとピクルスとチーズとサラミとペロペロキャンディーとさくらんぼパイとソーセージとカップケーキとそれからすいか
を食べるんです(食べ過ぎ!)
その後色々ありましたが、あおむしは無事に蝶になりました。
流れるような無駄のない展開が、子どもを飽きさせず、ひきつけるのかもしれませんね。
この歌をかけながら絵本をめくってあげるのも楽しいですよ。
動画を貼りますので良かったら聞いてみてくださいね。
エリック=カールのおすすめの絵本
↑こちらの絵本を紹介している記事
ぐりとぐら
作 | なかがわりえこ |
絵 | おおむらゆりこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1963年 |

黄色いカステラを覚えている方も多いのでは?
・料理というテーマがいい
・ぐりとぐらが可愛い!
・言葉と絵を楽しめる
ポイント①料理というテーマがいい

長く人気なのは料理という身近で普遍的なテーマを取り扱っているからかもしれません。
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
な、のねずみのぐりとぐら。
木の実をみつけてひろうと
「どんぐりを かご
いっぱい ひろったら、
おさとうを たっぷり いれて、
にようね」
「くりを かご
いっぱい ひろったら、
やわらかく ゆでて、
くりーむに しようね」
と話します。
そして二人は偶然見つけた大きな卵からとっても美味しいカステラを作りました。
料理のように、子どもの生活に身近なことや興味のあることをテーマにした絵本は、子どもがイメージしやすくて楽しむことができます。
イメージを共有しやすいところもいいですね。
ポイント②ぐりとぐらが可愛!
ご覧の通り絵がとっても可愛いです。
青い服を着ているのがぐり、赤い服を着ているのがぐらです。
この2匹、意外と表情豊かなんですよ。
大きな卵を見つけたときの表情がたまりません!(大好き)
絵の線や色が濃くないので、読み聞かせは集団よりも少人数に向いている絵本だと思います。
白を基調にしているので登場する動物たちの動きが分かりやすくていいですね。
ふんわり美味しそうな黄色いカステラもとってもよく目立っていて、おいしさを引き立てています(食べたい)
ポイント③言葉と絵を楽しめる
お話はぐりとぐらが森で大きな卵を見つけるところから始まります。
なんとか卵を運び、カステラを焼くことに決まり、カステラを焼いているうちに動物たちが集まってきて、最後は一緒においしく食べて・・・というようにお話は進んでいきます。
この絵本を読んで思うのは言葉の力です。
これは大きな卵を見つけた時の2匹の会話です。
「やあ、なんて おおきな
たまごだろう。
おつきさまくらいの
めだまやきが できるぞ」
と、ぐり がいいました。
「ぼくらの べっどより、
もっと あつくて、ふわふわの
たまごやきが できるぞ」
と、ぐらがいました。
「それよりも、かすてらが いいや。
あさから ばんまで たべても、
まだ のこるぐらいの
おおきい かすてらが できるよ」
と、ぐりが いうと
「そいつが いいや」と、
ぐらも さんせいしました。
こうした言葉の力で心の中にイメージがふくらんでいるからこそ、最後カステラが焼けたときの絵を見て、とっても大きく、ふわふわで美味しそうに見えるんだと思います。
言葉と絵を楽しめる絵本・・・
これこそ、絵本の醍醐味では!?
物語を楽しめるようになってきた3歳にぴったりの絵本だと思います!
ぐりとぐらシリーズのおすすめの絵本
↑こちらの絵本を紹介している記事
↑こちらの絵本を紹介している記事
おおきなかぶ
ロシア民話 | |
再話 | A.トルストイ |
訳 | 内田莉莎子 |
画 | 佐藤忠良 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1962年 |

うんとこしょどっこいしょ!
・繰り返しで展開している
・絵に説得力がある
・
ポイント①繰り返しで展開している
「うんとこしょ どっこいしょ」
この言葉を聞いただけで、子どもたちは「おおきなかぶだ!」とすぐ気がついて「あまい げんきのよい とてつもなくおおきい」かぶのイメージが浮かぶと思います。
それくらい、この言葉はこの絵本の中で何度も繰り返されます。
この時期の子どもは何でも自分でやってみたい!と思う反面、できないこともあってイライラしたり不安になったりしています。
でも同じ言葉が繰り返し使われていて、大まかな流れはいっしょだけれど、ちょっとずつ変わりながら展開が予想できるお話は、不安がる子どもたちの気持ちに寄り添って、安心できるお話になっているんですね。
展開が読めるのは大人にとっては面白くないところもあると思います。
でも3歳児にとっては安心して楽しめる絵本になるんですね。
同じ言葉の繰り返しで展開していくところがこの絵本のおすすめポイントです!
ポイント②絵に説得力がある
この絵本のすごいところは絵だと思います。
絵を見るだけでお話が分かるくらい、余計なものを削りながら、必要な情報をあますことなく絵で語っています。
子どもって絵をすごくよく見ているんですよね。
誇張したりデフォルメしたりしたものの良さもありますが、基本的には絵に嘘がないことがいいのかな・・・と思ったりします。
一人ずつ増えてく登場人物にぴったり合っている絵で、物語を楽しみ始める3歳児が、無理なく目と耳で話の流れを確認して楽しむことができる絵本だと思います。
ポイント③安心できるストーリー

お話は、おじいさんが植えたかぶが大きすぎて抜けなくなったので、おばあさん、孫、犬、猫、ねずみといった助っ人を次々に呼んでみんなで引っ張る、というものです。
「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声とともにひっぱって、最後にはおおきなかぶを抜くことができました。
最後のページで、
やっと、かぶは ぬけました
と、抜いたかぶの横で喜び合うおじいさんたち。
喜んだページの続きは表紙に続いているんですよ。
おじいさんとおばあさんと孫がおおきなかぶを持って運んでるところが表紙絵になっているんです。
(おおきなかぶの葉っぱは表紙に入りきらなくて裏表紙に続いています。)
つまり、絵本が始まる一番最初に表紙をみた子どもたちは、おおきなかぶがちゃんと抜けることをわかっていたわけです。
保育士が「うんとこしょ どっこいしょ」「おおきなかぶ ぬけるかな~?」
なんて言っているときも、子どもは、やりとりに付き合ってくれながらも、「いやいやかぶは抜けますよ。だって最初に抜けてるとこみたもん」なんて思っていたかもしれない、というわけです(笑)
こういうわけで子どもはちゃんと「できる」ことが分かって、安心して絵本を楽しめるんですね。
まとめ
今回は【保育士おすすめ!3歳児が夢中になる絵本】をテーマに、厳選した3冊を紹介しました。
どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。
そして次の記事では『【3歳児】読み聞かせの5つのコツ』について園児や子どもに読み聞かせてきた経験から、3歳児への読み聞かせ方のコツをまとめました。
こちらの記事もあわせて読んでみてください。
子どもの成長には個人差があります。
3歳児向けの絵本が合わないと感じたら、2歳児向けの絵本や4歳児向けの絵本を読んでみるとお気に入りの本が見つかりやすいと思います。
こちらもチェックしてみてくださいね。
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