冬は一年でも最も寒い季節です。
おうちの中で過ごす時間も長くなる頃ですね。
本記事では【保育士おすすめ!冬に読みたい絵本】をテーマに、司書資格を持つ保育士、弓子が、子どもに読み聞かせたい絵本を厳選して7冊選びました。
冬の読み聞かせの参考にしてみてくださいね。
保育士おすすめ!冬に読みたい絵本7選
語りかけ絵本 ゆき(おすすめの対象年齢・0歳~)
文・絵 | こがようこ |
出版社 | 大日本図書 |
出版年 | 2023年 |
0歳からおすすめ
・語りかけ絵本とは?
・読んでみた感想
・スキンシップも楽しんで
ポイント①語りかけ絵本とは?
作者であるこがようこさんが絵本の最初でこう説明されています。
「語りかけ絵本」ってなんでしょう?
あかちゃんが生まれて、
絵本をよんであげたいけれど、
語りかけは大切って聞くけれど、
どうしていいかわからない・・・
この絵本は、そんなパパママの
ために考えました。
文をそのまま読めば、しぜんと
語りかける形になるんです。
赤ちゃんと接するのが最初から上手な方もいれば、苦手な方もいると思います。
私も保育士をしていますが、赤ちゃんとどう接したらいいか分からなくて、最初はとても戸惑いました。
この絵本は私のようなパパママの見方になってくれるのではないかと思います!
ポイント②読んでみた感想
読んでみると確かに語りかけている感じがしました。
なんだろな?
なんだろね?
そう、ゆき。
(ページをめくって)
あ、ふってきた。
ゆき・・・・・・だね。
読んでいる人がまるで実際に赤ちゃんと雪を見て話しているかのようになっています。
こんな風に読んでもらえたら(語りかけてもらえたら)赤ちゃんは安心するだろうなと思いました。
赤ちゃんと接することが苦手な方に、こうやって話したらいいんだよ、と教えてくれているような気もします。
ポイント③スキンシップも楽しんで
絵本の最後には「語りかけちょこっとヒント」が書かれています。
「おでこに あたったよ」
「でのひら だしてみて」で
スキンシップ!
子どもたちはスキンシップが大好き。
言葉に合わせて、お子さんにそっと
触れてみてね!
読みながら赤ちゃんの大好きなスキンシップもとることができます!
読むだけで赤ちゃんとコミュニケーションがとれるところがおすすめです。
だれのあしあと(おすすめの対象年齢・2歳~)
作・絵 | accototo |
出版社 | 大日本図書 |
出版年 | 2008年 |
2歳からおすすめ
・わかりやすい展開
・絵が特におすすめ
・最後がいい
ポイント①わかりやすい展開
雪の降る日、ねずみが足跡を見つけました。
わぁ たくさんの ゆき
あれっ だれの あしあと
きつねさんの あしあと
お話はこんな風にいろいろな動物の足跡を見つけながら進んでいきます。
わかりやすい展開が小さい子にもおすすめです。
ポイント②絵が特におすすめ
はっきりとしながらも、塗りつぶしたわけではない色がとても素敵です。
見やすくて可愛くて、子どもだけでなく大人からも好まれる絵ではないでしょうか。
とても魅力的だと思います。
ポイント③最後がいい
最後についた足跡の持ち主は、ねずみさんが大好きなあの人でした!
冬の日にぴったりなラストがほっこりしていいですよ。
対象年齢は1歳からでもいいくらいでしたが、この足跡があの動物、というところが1歳児には少し分かりにくいかと感じたため2歳からにしました。
足跡が小さくて遠くからは見にくいと感じるため、少人数の読み聞かせに向いていると思います。
ふゆのひのトラリーヌ(おすすめの対象年齢・2歳~)
作 | どい かや |
出版社 | 偕成社 |
出版年 | 2005年 |
2歳からおすすめ
・かわいらしいお話
・異素材のあたたかみがいい
・トラリーヌに会いたくなる!
ポイント①かわいらしいお話
お話の主人公はトラのトラリーヌです。
トラリーヌは、おはなが だいすきな
おんなのこです。
いつも あたまに 1りん おはなを
かざっています。
青い目ととがった耳がとても可愛い女の子です。
トラリーヌは、じぶんの にわで
たくさんの おはなを
そだてています。
たねを まいたり、くさを ぬいたり、
みずを やったり、
トラリーヌは いつも
おおいそがしです。
そんなトラリーヌが冬にいいことを思いつきました!
トラリーヌがしたこととは?
可愛らしいお話にほっこりするんじゃないかと思います。
小さいサイズの絵本で、そっと手元に置いておきたくなる1冊です。
ポイント②異素材のあたたかみがいい
イラストは絵ではなくフェルトを切って貼ってつくられています。
やわらかい素材がとてもいいですね。
そしてトラリーヌが編み物をする場面ではちゃんと毛糸が使われているんです!
異素材のあたたかみが感じられるところがおすすめです。
ポイント③トラリーヌに会いたくなる!
トラリーヌの表情や仕草、行動全てがとっても可愛いです。
耳付きのコートを着ている姿なんて可愛くてたまりません(笑)
きっとまたトラリーヌに会いたくなるんじゃないかと思います。
トラリーヌはシリーズになっているので、ぜひ他のお話もチェックしてみてくださいね。
トラリーヌの他の絵本はこちら
どいかやの他のおすすめの絵本はこちら
↑こちらの絵本を紹介している記事はこちら
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てぶくろ(おすすめの対象年齢・3歳~)
ウクライナ民話 | |
絵 | エウゲーニー・M・ラチョフ |
訳 | うちだ りさこ |
出版社 | 福音館書店 |
出版年 | 1965年 |
3歳児に特におすすめです
3歳からおすすめ
・繰り返しが分かりやすい
・言葉選びがおもしろい
・説得力のある絵
ポイント①繰り返しがわかりやすい
おじいさんが落とした手袋に動物たちが入っていきました。
「だれ、てぶくろに すんでいるのは?」
「くいしんぼねずみ。あなたは?」
「ぴょんぴょんがえるよ。
わたしも いれて」
「どうぞ」
動物たちはこんな風に言いながら、手ぶくろにどんどん入ってきます。
入ってくる動物はどんどん大きくなっていきますが、子どもは「手袋にはいらないでしょ。ありえない!」なんて言いません。
しっかり真面目に「大丈夫かな・・・」そんな風にみているんです。
この絵本は3歳児の「保育士おすすめ!3歳児が本当に喜ぶ絵本3選」に加えようか迷いましたが、季節感が強かったためためいれませんでした。
でも3歳頃の子どもがとてもよく聞いてくれる絵本です。
ぜひ読んでみてくださいね。
ポイント②言葉選びがおもしろい
動物たちは名前の前にこんな形容詞がついています。
- くいしんぼねずみ
- ぴょんぴょんがえる
- はやあしうさぎ
- おしゃれぎつね
- はいいろおおかみ
- きばもちいのいしし
- のっそりぐま
かえるです、うさぎです、とただ登場するより個性的で楽しいですね。
言葉遣いも大人っぽいですよ。
「はいいろおおかみだ。おれも いれてくれ」
と言ったときには、
「まあ いいでしょう。」
最後にのっそりぐまが「いれてくれ」と言ったときには、
「とんでもない。まんいんです。」
「いや、どうしても はいるよ」
「しかたがない。でも、ほんの
はじっこにしてくださいよ。」
こういう言葉の表現に味があって面白い絵本です。
ポイント③説得力のある絵
この絵本は絵がとっても美しいです!
子ども向けだからと言って生き物をいい加減に描いていないところがいいですね。
そして面白いのは手袋の変化です。
最初に手袋にきづいたねずみは
「ここで くらすことに するわ」
と言いました。
「くらす」という言葉通り、手袋を小枝で支えて高さが出たところに階段をつけて、手袋がまるでお家のようになっているんです!
3匹入るとちょっと玄関のようなものができて、手袋の下にドアの様なものも見えます。
5匹入る頃には窓やベルもつきました。
6匹はいる頃にはえんとつまで!!
えええええ~!!
そして最後におじいさんがてぶくろを拾うときには、何事もなかったかのようにただの手袋になりました。
「てぶくろ」はウクライナの民話です。
民話は言葉で語り継がれてきたお話なため、絵にすると違和感を感じることがあります。
でも、この絵本は手袋を何の違和感もなく、自然におうちにしています。
動物が6匹もはいっているのに、違和感なく「ああ入ったな」くらいにみることができちゃうのはすごいです!
名作なので是非読んでみてくださいね。
ゆき(おすすめの対象年齢・3歳~)
作・絵 | ユリ・シュルヴィッツ |
訳 | さくま ゆみこ |
出版社 | あすなろ書房 |
出版年 | 1998年 |
美しい外国の絵本です
3歳からおすすめ
・言葉のリズムがいい
・絵がいい!
・何度でも読みたくなる
ポイント①言葉のリズムがいい
そらは はいいろ
やねも はいいろ
まちじゅう どんより はいいろです。
お話はこんな言葉から始ります。
どんよりと曇った灰色の空の下で、雪を愛でる男の子の気持ちを追った絵本です。
最後の言葉のリズムが美しいので抜粋します。
ゆきは、あとから あとから
ふってきて、
ちらちら おどって、
くるくる まわって、
ふわふわ あそんで、
ひらひら とんで、
つぎから つぎへと なかまを よべば、
あっちも こっちも しろくなり、
どこも かしこも ゆきげしょう。
あまりにも隙のないリズムの良い美しい言葉に息を呑んでしまいます。
ポイント②絵がいい!
人物は3~5頭身くらいに描かれていて可愛らしい印象です。
どのキャラクターも個性豊かでほんとに魅力的なんです!
雪が積もりゆく街の風景もお見事です。
見て絶対に損はない、そんな美しい絵なのでぜひご覧いただきたいです。
ポイント③何度でも読みたくなる
間違いなく絵本として完成度が高く、子どもも大人も何度でも読みたくなる絵本だと思います。
雪が降る冬に読むのが特におすすめです。
14ひきのさむいふゆ(おすすめの対象年齢・3歳~)
作・絵 | いわむら かずお |
出版年 | 1985年 |
出版社 | 童心社 |
2場面がいい!
3歳からおすすめ
・あたたかい部屋で
・雪あそびが楽しい!
・細かいところまで美しい
ポイント①あたたかい部屋で
「14ひきのさむいふゆ」というだけあって、冬の寒い日、前半は雪を避けるようにろうそくの火が灯るあたたかい部屋で過ごすねずみたちが描かれています。
かぜが なる、ゆきが まう。
さむい ふゆ。
(ページをめくって)
ストーブ もえてる、
あたたかい へや。
みんなで なに つくってる?
部屋の中でねずみたちは、そりを作ったり、ボードゲームを作ったり、おまんじゅうを作ったりしています。
ろうそくのやわらかい光と、ねずみたちの伸びる影。
暖かさを感じられるところが魅力的です。
ポイント②雪あそびが楽しい!
おっ、ゆきが やんだ。
まあ、おひさまが こんなに。
というわけで絵本の後半は外で雪あそびです!
元気いっぱいあそぶねずみたち。
おじいちゃん、おばあちゃんも含めた14ひき全員で遊びます!
一匹一匹がとても可愛いのでぜひ注目してみてくださいね。
ポイント③細かいところまで美しい
14ひきのねずみシリーズの中でも繊細な絵が美しい1冊です。
背景などの細かいところまで美しいですよ。
また9番目のねずみの女の子、くんちゃんが大事にしているお人形がどこかにいたり、10番目の男の子、とっくんが引くとっくんトラックが登場したりするので、ぜひ探してみてくださいね!
14ひきのねずみシリーズのおすすめの絵本はこちら
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手ぶくろを買いに(おすすめの対象年齢・5歳~)
作 | 新美南吉 |
絵 | 黒井健 |
出版社 | 偕成社 |
出版年 | 1988年 |
5歳からおすすめ
・美しい言葉がいい
・はかなくて美しい絵
・静かな余韻が感じられる
ポイント①美しい言葉がいい
寒い冬が、北方から、狐の親子の
棲んでいる森へもやって来ました。
ある朝、洞穴から子供の狐が出ようと
しましたが、「あっ。」と叫んで目を
抑えながら母さん狐のところへころげて
きました。
「母ちゃん、眼に何か刺さった、
ぬいて頂戴、早く早く。」
と言いました。
母さん狐がびっくりして、あわてふためき
ながら、眼を抑えている子供の手を
恐る恐るとりのけてみましたが、
何も刺さってはいませんでした。
これが最初の1ページ目の言葉です。
漢字も多く使われているので、自分で読むというよりは読み聞かせてあげるといいと思います。
美しい言葉に癒やされてくださいね。
ポイント②はかなくて美しい絵
はかなく浮かび上がるような黒井健さんの絵で、とても丁寧に描かれています。
冬の森や雪降る夜、あかりの灯る街が美しいですよ。
特に好きなのは狐のお母さんが子狐の手を取る場面です。
狐の毛の柔らかさとあたたかさが感じられます。
はかなくて美しい絵が物語にぴったり合っています。
ポイント③静かな余韻が感じられる
お話の最後のお母さん狐の言葉にとても余韻が感じられます。
お話が終わってからも、どうなんだろうと考えてしまうような、まだ話が続いているかのような・・・
ぜひ読んで、この余韻を味わってみてくださいね。
まとめ
今回は冬をテーマにした絵本を7冊紹介しました。
気になる絵本はありましたか?
どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。
紹介された絵本をもう一度チェックしたい方はこちら
当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。
どれもおすすめの絵本ですのでぜひ読んでみてください。
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