保育士おすすめ!冬に読みたい絵本5選(3歳・4歳・5歳)

絵本

一年でも最も寒い季節がやってきました。

おうちで過ごす時間も増えるころだと思います。

そんなおうち時間に絵本の読み聞かせはいかがですか?

本記事では【冬に読みたい絵本】をテーマにして、司書資格を持つ保育士、弓子が、子どもに読み聞かせたい絵本を厳選して5冊選びました。

冬の読み聞かせの参考にしてみてくださいね。

保育士おすすめ!冬に読みたい絵本5選(3歳・4歳・5歳)

てぶくろ(オススメの対象年齢・3歳~)

ウクライナ民話
エウゲーニー・M・ラチョフ
うちだ りさこ
出版社福音館書店
出版年1965年

3歳児に特にオススメです!

ポイント①繰り返しがあってわかりやすい

このお話は、おじいさんが手袋を落とすところから始まります。

その手袋に動物たちが次々と入っていきます。

動物たちが入っていく繰り返しが分かりやすくていいですね。

 そこへ かえるが ぴょんぴょん はねてきました。

 「だれ、てぶくろに すんでいるのは?」

 「くいしんぼねずみ。あなたは?」

 「ぴょんぴょんがえるよ。わたしも いれて」

 「どうぞ」

こんな風に。

動物はどんどん大きくなっていきます。

でも子どもは「手袋にはいる?ありえない~」なんて言いません。

しっかり真面目に、「大丈夫かな・・・」そんな風にみているんです。

この絵本は3歳児の「保育士おすすめ!3歳児が本当に喜ぶ絵本3選」に加えようか迷いましたが、季節感が強かったためためいれませんでした。

でも3歳頃の子どもがとてもよく聞いてくれる鉄板絵本です。

ぜひ読んでみてくださいね。

ポイント②おもしろワード

動物たちは名前の前にこんな形容詞がついています。

  • くいしんぼねずみ
  • ぴょんぴょんがえる
  • はやあしうさぎ
  • おしゃれぎつね
  • はいいろおおかみ
  • きばもちいのいしし
  • のっそりぐま

かえるです、うさぎです、ってただ紹介するより個性的!

楽しいですよね。

言葉遣いも大人っぽいですよ。

 「はいいろおおかみだ。おれも いれてくれ」

と言ったときには

 「まあ いいでしょう。」

最後にのっそりぐまがきて「いれてくれ」と言ったときには

 「とんでもない。まんいんです。」

 「いや、どうしても はいるよ」

 「しかたがない。でも、ほんの はじっこにしてくださいよ。」

まあいいでしょうとか、ほんの端っこにしてくださいよ、とか、大人っぽいですね(笑)

こういう表現があるからこそ、何回読んでも味があって長く愛されるのかもしれませんね。

ポイント③民族調の絵がうつくしい!

この絵本は絵がとっても美しいです!

動物たちは服を着て2足歩行していますが、立っていても、ねずみはねずみ、いのししはいのししです。

子ども向けだからと生き物をいい加減に描いていないところがいいですね。

そして面白いのは手袋の変化です。

最初に手袋にきづいたねずみは

 「ここで くらすことに するわ」

と言いました。

次のイラストを見ると、「くらす」という言葉通り、手袋を小枝で支えて高さが出たところに階段をつけて、まるでお家のようになっているんです!

3匹入るとちょっと玄関のようなものができて、手袋の下にドアの様なものも見えます。

5匹入る頃には窓やベルもつきました。

6匹はいる頃にはえんとつまで!!

えええええ~!!

そして最後におじいさんがてぶくろを拾うときには、何事もなかったかのようにただの手袋になっていました。

民話は言葉で語り継がれてきたため、絵にすると違和感を感じることがあります。

でも、この絵本のイラストでは手袋を何の違和感もなく、自然におうちにしています。

動物が6匹もはいっているのに、違和感なく「ああ入ったな」くらいにみることができちゃうのはすごいです!

名作なので是非読んでみてくださいね。

ゆき(オススメの対象年齢・3歳~)

作・絵ユリ・シュルヴィッツ
さくま ゆみこ
出版社あすなろ書房
出版年1998年

美しい外国の絵本です。

ポイント①言葉のリズムがいい!

この絵本は雪が降ってくる様子を上手に表現しています。

最初は1粒ひらひらと舞い降りてきて、それが2粒3粒と増えていきます。

そのうちどんどん舞い降りてきて積もりはじめます。

 ゆきは、あとから あとから ふってきて

 ちらちら おどって、くるくる まわって、

 ふわふわ あそんで、ひらひら とんで、

 つぎから つぎへと なかまを よべば、

 あっちも こっちも しろく なり、

 どこも かしこも ゆきげしょう。

読んでみるとリズムが良くて心地いいですね。

とても素敵な表現をしているのでそこに注目してみてほしいです!

ポイント②異国を感じる灰色の世界がいい

この絵本は異国情緒あふれる町並みが素敵!

冬にながめたくなる美しい外国の絵本という感じです。

雪降る空が白ではなく灰色で表現されているのがいいんですよね。

灰色の空のした、登場人物たちが楽しげに踊るようすは印象的です。

そして空が青く晴れて雪が真っ白くかがやいていく・・・

そんな明るい終わり方もとてもいいです!

ポイント③表現が素敵!

この絵本は余白がたくさんあります。

縁取られた構図は漫画のような雰囲気もありますね。

登場人物たちが3、4頭身なので余計に漫画的に感じるのかもしれません。

雪がたくさん降ると余白や縁取りはなくなって、雪の世界が絵本一面に広がります。

この絵本は、雪が降らないかと思ったら積もるほど降って町が輝いた、というお話です。

ストーリーはシンプルですが、

 「ゆきは ふらないでしょう」ラジオが いいました。

 「ゆきは ふらないでしょう」テレビも いいました。

 けれども ゆきは、ラジオを ききません。

 それに ゆきは、テレビも みません。

 ゆきは ただ はいいろの そらから まいおりるだけ。

というような過程の表現が素敵です。

本屋の看板に飾られたマザーグースのキャラクターが、主人公の呼びかけに応じて出てくるも面白いです!

大人も子どもも楽しめる絵本なので、ぜひ読んでみてくださいね。

14ひきのさむいふゆ(オススメの対象年齢・3歳~)

作・絵いわむら かずお
出版年1985年
出版社童心社

絵もお話もいい傑作です!

ポイント①雪の日もたのしいね

この絵本では、14匹のねずみのたちのある雪の日を題材にしています。

冒頭では雪で外に出られない14匹が室内で過ごす様子が描かれています。

ストーブが燃えるあたたかい部屋で過ごすねずみたち。

そりをつくったり、ボードゲームを作ったり。

台所ではおまんじゅう作りの真っ最中。

ふかし終わるとみんなでおまんじゅうを食べました。

ボードゲームをして遊んでいると、雪がやんで空が晴れてきました。

そこでみんなで外に出てそり滑りを始めます。

雪だるまも作りました。

そして、また夜には雪が降ってきました。

・・・雪の日も工夫して楽しむねずみたちの姿にとっても癒やされますよ。

ポイント②あたたかいイラストがいい

この絵本は細かいところまでよく描き込まれています。

子どもは絵をよく見ているので見応えがありますね!

ストーブがもえてる暖かい部屋は、絵と添えられた言葉で、空気まで感じることができますよ。

絵の構図も素敵でページを開くごとに新鮮に感じます。

ねずみの絵も、動物としてのねずみを忠実に描きながらも、性格や年齢がわかるほど細かく描かれていて、まるで人間のようです。

雪が降る自然の描写もお見事です。

「14ひきのさむいふゆ」は、14ひきシリーズの中でも完成度の高いイラストになっていると思うので、ぜひ実際にみていただきたいです!

ポイント③とっくんトラックとお人形に注目!

中でも注目していただきたいのが「とっくんトラック」と「お人形」です。

10番目のねずみの男の子、とっくんが紐で引いているのが「とっくんトラック」です。

この「とっくんトラック」、毎回乗せているものが違います。

子ども達はそれに気がつくと毎ページごと「とっくんトラック」に注目して、ちいさなとっくんを可愛く思っているようでした。

そして9番目のねずみの女の子くんちゃんがいつも大事にお世話しているのが「ねずみのお人形」です。

くんちゃんは毎回この「お人形」を布団に寝かせたりご飯を食べさせたりとお世話しています。

「お人形」が毎ページのどこにあるのか、くんちゃんがどんなお世話をしているのかを見るのも、この絵本の楽しみ方の一つです。

ぜひお子さんと探してみてくださいね!

3歳から長く楽しめる絵本だと思います。

トントントンをまちましょう(オススメの対象年齢・3歳~)

あまん きみこ
鎌田 暢子
出版社ひさかたチャイルド
出版年2011年

ノスタルジックな優しい絵本です。

オススメ①ちょっと不思議であたたかいお話

雪が降ってきたのをみたお母さんが

「たいへん。こんやは いそがしくなるわ」

と言いました。

”わたし”が

「なぜ、いそがしくなるの?」

と聞きますが、おかあさんは答えてくれません。

おかあさんは素早くエプロンやお鍋の準備をすると、

「みこちゃん、てつだってね」

といい、甘酒をつくりだしました。

訳も分からず手伝う”わたし”。

そのうちに、

トントントン。

玄関のドアを叩く音がして、色々なお客様がやってきます。

”わたし”はお母さんのお手伝いをして、お客様に次々と甘酒をふるまっていきます。

―――この絵本はそんな不思議なお話で、そしてあたたかいお話です。

お客様の正体は、ぜひ読んでみてくださいね。

ポイント②優しい言葉の数々

この絵本には優しい気持ちになれる言葉がたくさんあります。

これは、トントントン、とドアが鳴ったあとの一場面。

 「はあい」

 はしっていって ドアを あけると、

 きいろの ふくを きたこが、

 いち、に、さん、し、ごにん

 さむそうに あしぶみを しています。

 しらないこよ。

 ようちえんに、こんなこたち、いたっけ。

 わたしの うしろから、 おかあさんが いいました。

 「さあ、どうぞ。ちょうど あまざけが できたところ」

 みんな、うれしそう。

 くくくく、くくくくと わらいながら はいってきました。

です、ます、で終わるのではなく、~よ、と言ってみたり、いたっけ、と言ってみたり。

笑い声も、くくくく、表現されていたり。

子どもの気持ちをそのまま表現したような言葉がたくさんあります。

言葉の端々から優しさを感じられますね。

ポイント③優しいイラスト

この絵本では昭和を感じる町並みが広がっています。

お母さんは「白いエプロンをつけ」、とありますが、実際は白い割烹着を着ています。

古い大きな鍋が昔ながらの、黒いとってのついた黄色い鍋だったり、その鍋で作っているものも甘酒だったりします。

ドアノブもねじって開けるタイプで、畳にはこたつも置いてあります。

ノスタルジックな雰囲気ですね。

優しい雰囲気は登場人物からも感じられます。

「お客様」として現れる黄色い服の子たちや赤い服の子たち、そして、お母さんやお父さん、”わたし”、全員がすごく優しい表情をしているんです。

そしてお母さんは、”わたし”が見えるように腰をかがめて鍋の甘酒を見せてくれたり、”わたし”の肩を抱くように話てくれています。

お父さんは仕事から帰ると、当たり前のように”わたし”を抱っこしてくれます。

言葉では触れられてなくても、絵から優しさが伝わる場面がたくさんあります。

ぜひこの絵本を読んで優しさに触れてみてくださいね。

カジパンちゃんちは何屋さん?(オススメの対象年齢・3歳~)

作・絵きたやま ようこ
出版社偕成社
出版年1978年

お話も絵も可愛い絵本です!

ポイント①かわいいイラスト!

この絵本は46年前に初出版されました。

にもかかわらず、今見ても古さを全く感じさせず可愛いです!

クレヨンで塗ったところを細いものでけずったような、そんな深みと柔らかさのある色が素敵です。

洋服もおしゃれでかわいいですし、小物もたくさんあって選ぶのが楽しいです。

子どももきっと「かわいい!」と思うこと間違いなしです!

ポイント②想像して楽しめる

カジパンちゃんはひつじの女の子です。

そしてカジパンちゃんのお友達は人間の女の子、ヒッポちゃんです。

お話は、春にカジパンちゃんがとこ屋さんへ言ったところから始まります。

ひつじですから春にはもっこもこのカジパンちゃん(笑)

カジパンちゃん家族は切ってもらった毛を袋に入れて持ち帰ります。

そこへヒッポちゃんがやってきて、

 「何をもっているの?」

と聞きます。

 「いいものよ。わたしの家 秋になったら お店屋さんをするの。その材料が、はいっているのよ。」

 「うわあ、お店屋さん!」

こう聞いたヒッポちゃんはどんなお店屋さんか想像し始めます。

 「おもちゃ屋さんだといいな―――。

 もし そうだったら、わたしたち 

 毎日、いろんなおもちゃで あそべるもの!」

(ページをめくって)

 「でも、おもちゃ屋さんじゃないのよ。

 お父さんと お母さんが つくったものを、売るのよ」

 「じゃあ・・・・・。」

こうしてヒッポちゃんは次々にどんなお店でどんなことができるかを想像していきます。

レストランやパン屋さん、クリーニング屋さん、わたがし屋さん・・・・

ヒッポちゃんの想像がとっても可愛くて、想像のお店屋さんに並ぶ品物がとっても魅力的で、一緒にどれがいいかな?と選ぶ楽しさがありますよ。

ポイント③お店の準備が楽しい!

 「・・・・それは、秋までのおたのしみね。」

何屋さんか結局正解しなかったので、答えは秋までとっておくことになりました。

春、カジパンちゃんのお父さんとお母さんは切ってもらった毛をすいて、糸をつむぎました。

そして糸を鮮やかな色に染めて乾かします。

夏、ヒッポちゃんとカジパンちゃんは毛糸玉を作り、お父さんとお母さんはセーターを編んだり、刺繍で模様をつけたりしました。

そして秋、いよいよ開店です!

お店には個性的で色とりどりのセーターや小物が並びます。

最後のページでは、ヒッポちゃんはカジパンちゃんみたいな羊の帽子を被っています。

仲良しの2人にほっこりしますよ。

このシリーズには他に「はじめまして カジパンちゃん」があります。

「カジパンちゃんちは 何屋さん?」から読んでも問題ありませんが、この絵本が気に入ったら「はじめまして カジパンちゃん」もぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ

今回は冬をテーマにした絵本を5冊紹介しました。

気になる絵本はありましたか?

どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。

当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。

どれもオススメの絵本ですのでぜひ読んでみてください。

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