4月は入園、入学の時期ですね。
親子ともにワクワクしたり不安になったり・・・色々な気持ちを感じていることと思います。
今回は【入園・入学の読み聞かせに!おすすめの絵本】をテーマに、司書資格を持つ保育士、弓子が入園・入学をするお子さんへ読み聞かせたい絵本を5冊選びました。
読み聞かせの参考にしてみてくださいね。
入園・入学の読み聞かせに!おすすめの絵本5選
入園(3歳)におすすめ
ようちえんいやや
作 | 長谷川義史 |
出版社 | 童心社 |
出版年 | 2012年 |

子どもの気持ちに気づけるかも
3歳からおすすめ
・気持ちがストレートに伝わる
・子どもらしい言葉の数々
・ぼく・私の本当の気持ちは・・・?
ポイント①気持ちがストレートに伝わる
たけしくんが ないている
きょうも トイレで ないている
「ようちえん いくの いやや
ようちえん いくの いやや
ようちえん いくの いややー」
なんで いや なのかな・・・・・・
お話はこんな風に始まり、この言葉を繰り返しながら進んでいきます。
幼稚園へ行くのが嫌な子どもの気持ちがストレートに伝わってきます。
まさに、園の4月の姿ですね。
ポイント②子どもらしい言葉の数々
たけしくんがトイレで泣いていた理由は・・・
えんちょう せんせいに
おはようの あいさつ
するのが いややー
他の子が泣いている理由も、
いちごが すきやのに
ももぐみやから いややー
とか、
ぼくの イスの マークが
ヘビさんやから いややー
とか、大人には些細に思えることばかり。
そして子どもが言いそうなことばかりです。
子どもの気持ちを丁寧に描いているところが、子どもが共感しやすくていいと思いました。
ポイント③ぼく・私の本当の気持ちは・・・?
子ども達が泣いていたのには理由がありました。
保育士の目線で見ても、親の目線で見ても、子どもの気持ちがよく現れていると感じられる理由でした。
子どもは自分の気持ちをまだ言葉で正確に伝えられませんが、子どもの言葉に隠れている本音を想像してあげるだけでも、子どもへの接し方がかわってくると思います。
入園の時期にぴったりな一冊です!
長谷川義史のおすすめの絵本
↑こちらの絵本を紹介している記事
入学(6歳)におすすめ
6さいのきみへ(6歳におすすめ)
文 | 佐々木正美 |
絵 | 佐竹美保 |
出版社 | 小学館 |
出版年 | 2011年 |

きみはかぞくのたからもの
6歳におすすめ
・つむがれる成長の物語
・でこぼこだって個性
・子どもとおうちの方へ
ポイント①つむがれる成長の物語
この絵本では”きみ”の0歳から6歳(小学校入学)までの成長を描いています。
せかいじゅうで いちばんの ねがお。
あくびだって、しあわせを
はこんでくれた。
まだ赤ちゃんだった頃の”きみ”。
ぼたんが ゆっくり
はめられるようになって、
いつのまにか くつも
はけるように なったね。
少しずつ大きくなっていきました。
どの子にも、赤ちゃんからの成長の物語があります。
大人は、”きみ”とお子さんやお孫さんと成長を重ねて、心が動かされるのではないでしょうか。
ポイント②でこぼこだって個性
”きみ”は少し育てにくいと感じられる個性を持っています。
きみは、さんりんしゃを
こがずに けっとばし、
「よーいどん!」では、
たちすくんでいた。
「どうしたのかな?」と思うような場面かもしれません。
凸凹の理由は絵本の最後に解説されています。
解説、というのも、文を担当されている佐々木正美さんは、ベストセラー「子どもへのまなざし」著者の精神科医で、子育てについて理解が深い方です。
その佐々木正美さんがこう伝えています。
大切なのは「あなたのままでいいよ」
という気持ちで育てること
たくさんの方に寄り添ってくれる言葉ですね。
ぜひ解説まで読んでいただきたいです。
ポイント③子どもとおうちのかたへ
この絵本は「6さいのきみへ」です。
そして、「6さいのきみを育ててきたおうちのかたへ」だと思います。
絵本の最後の言葉を紹介します。
いろいろあったね。
たいへんなこともあったね。
でもみんな、
きょうの喜びのためにあったんだ、
ということが、よくわかります。
おめでとう。
ありがとう。
卒園・入学は子どもへの”おめでとう”でも、育ててくれたおうちの方への”ありがとう”でもあると思います。
卒園も経験したこの時期に、親子で感動できる絵本だと思います。
佐々木正美さんのベストセラー本「子どもへのまなざし」もぜひ読んでみてくださいね。
佐竹美保のおすすめの絵本
↑こちらの絵本を紹介している記事
くんちゃんのはじめてのがっこう
作 | ドロシー・マリノ |
訳 | まさき るりこ |
出版社 | ペンギン社 |
出版年 | 1982年 |

6歳からおすすめ
・くんちゃんらしい始まり
・小学校ってどんなところ?
・大人の関わり方がいい!
ポイント①くんちゃんらしい始まり
この絵本は好奇心旺盛なこぐま、くんちゃんが主人公です。
そんなくんちゃんも小学一年生になりました。
くんちゃんとおかあさんぐまは一緒に学校へ向かいます。
でもくんちゃんですから、すんなりと学校には着きません(笑)
みつばちをみつけると、
「ぼく がっこうへ いくんだよ。」
くんちゃんは みつばちに
いいました。
「きみも がっこうへ いく?」
いいえ、わたしは みつをあつめるのに
いそがしくてね。」と
みつばちは こたえました。
「ふうん。」と
くんちゃんは いいました。
というように、こうもりやビーバー、みんなに話しかけて回ります。
子どもらしい素直な姿が今作でも見られます。
ポイント②小学校ってどんなところ?
絵本ではくんちゃんが字を書かされると思って不安がる場面があります。
小学校が何をするところかわからなくて、不安がつのっていってしまったんですね。
どんなところか、何をするのか分からなかったら、大人だって不安になります。
やることが分かってくると、少しずつ安心できると思います。
くんちゃんの行動は、不安がる子どもの気持ちをよく表していていると思いました。
子ども達はきっとくんちゃんに自分を重ねて見るんじゃないでしょうか。
ポイント③大人の関わり方がいい!
くんちゃんシリーズは、大人の子どもへの関わり方がとてもいいと感じます。
まず、おかあさんぐま。
色々な生きものに話しかけて寄り道するくんちゃんを、遠くからちゃんと見守って、待って、一緒に歩いてくれます。
そして、先生。
不安で逃げ出してしまうくんちゃんを、教室へ戻そうとはせず、くんちゃんが興味を持ったところで教室へ戻るように伝えています。
どちらも待ってくれていますね。
待つことは簡単なようで難しいです。
つい「早くして!」と言いたくなりますが、おかあさんぐまや先生のように、待つことを大切にしてあげたいと改めて思える一冊です。
くんちゃんシリーズの絵本(一部)
↑こちらの絵本を紹介している記事
くぬぎのもりのりすのがっこう
作 | ふくざわ ゆみこ |
出版社 | アリス館 |
出版年 | 2019年 |

6歳からおすすめ
・個性豊かなこりす達がいい
・を思いやる気持ちがいい
・優しい世界にほっとする
ポイント①個性豊かなこりす達がいい
くぬぎのもりのりすのがっこうには、個性豊かな5ひきのこりすが通っています。
ぐるりんは、ひとりで ふたりぶんの
つくえを ちらしほうだい。
ふわさんは、あさから おひるね。
しいちゃんは、きちんと すわって
じゅぎょうが はじまるのを
まっています。
ぽんちゃんは、
あさごはんを たべたのに
もう どんぐりを かりかり。
ちいちゃんは、すみっこで じぶんの
しっぽに かくれています。
イラストにもそれぞれの性格が出ていてとってもにぎやかです。
みんな違っているところがいいですね。
ポイント②思いやる気持ちがいい
こりすたちは違っていることを責めたりしません。
できないこと、こまっていることに、
「どうしたらできるだろう?」
「どうしたらいいんだろう?」
と、考えて動きます。
くぬぎのきの校長先生や、もぐら先生、ことりの先生達はいますが、こりすたちにアドバイスはしません。
こりす同士で学びあっているところがいいです。
ポイント③優しい世界がいい
「くぬぎのもりのりすのがっこう」では「しっかりしなきゃ」となるような場面はありません。
個性的なまま自然に生き生きと過ごせます。
給食は、
アイスに パンに ヨーグルト!
きいちご やまもり もりつけて・・・
ですし、自然の中の授業は遊びみたいで楽しそうだし、先生達はやさしいし・・・
こんな学校なら通ってみたいって思いますよね。
やわらかくて優しい世界が素敵な一冊です。
くぬぎのもりのりすのがっこうの続編
ふくざわゆみこのおすすめの絵本
↑こちらの絵本を紹介している記事
ぼくのがっこう
作 | 鈴木のりたけ |
出版社 | PHP研究所 |
出版年 | 2021年 |

こんな学校はいかが?
6歳からおすすめ
・こんな学校だったら!?
・想像や選択が楽しい!
・校長先生を探せ!!
ポイント①こんな学校だったら!?
あさ おきて
かばんに どうぐを つめこんで
きょうも がっこう いってきまーす!
でも ちょっと まって
まいにち まいにち
おんなじ がっこう
たまには ちがう がっこうに
いってみたい
というわけで、学校が変になっちゃいました!?
想像の世界を思い切り楽しんでくださいね。
ポイント②想像や選択が楽しい!
ぼくはこんな学校を想像しました。
たとえば いりぐちが
たきに なってる たきがっこう
とか
くつを いれる げたばこに
とりが すんでる とりがっこう
とか!
そして、たくさんの想像から選ぶ場面もあるんです。
きょうしつには いろんな
つくえと いすが ある
どれにしようか まよっちゃう
絵本にはこんなものが描かれています。
- とうめいづくえ、とうめいいす
- ぶらんこづくえ
- トイレづくえ、トイレいす
など。
先生だって選んじゃいます!
- どこにいるのかわからないにんじゃ先生
- ふしぎなわざにみとれちゃうマジック先生
などなど!
楽してわくわくするものがいっぱい!
あなたならどれを選びますか?
ポイント③校長先生を探せ!!
そんな中、迷子になっちゃった校長先生を探しに空飛ぶいすにのって出発しました!
学校中を空から探します。
でも学校だってただの学校じゃありません。
がっこうめいろ、うらやまがっこう、ふねがっこう
などなど!
ぼくと一緒に校長先生探しを楽しんでくださいね。
最後の言葉がいいのでご紹介します。
いろんな いすが あるのように
いろんな こどもが いるように
いろんな がっこう あったら いいな
本当にそうですね。
楽しい想像の世界へ遊びにいってらっしゃい!
ぼくのシリーズのおすすめの絵本(一部)
↑こちらの絵本を紹介している記事
まとめ
今回は【入園・入学の読み聞かせに!おすすめの絵本】をテーマに5冊紹介しました。
気になる絵本はありましたか?
どれか1冊でもお気に入りの絵本に加えてもらえたら嬉しいです。
紹介された絵本をもう一度チェックしたい方はこちら
当ブログでは他にも色々な絵本を紹介しています。
どれもおすすめの絵本ですのでぜひ読んでみてください。
コメント